ジャパンラグビーリーグワンの新シーズンが12月13日に開幕する。初日の東京・秩父宮ラグビー場でホストゲームをおこなうのはリコーブラックラムズ東京だ。
昨季は12チーム中7位と、そのひとつ前の年度よりも順位を上げながら、あと一歩でプレーオフ行きを逃してしまった。心機一転。今度のファーストゲームでは、同6位の東京サントリーサンゴリアスとぶつかる。
当日はニュージーランド代表89キャップのTJ・ペレナラ新主将がSHに、オーストラリア代表15キャップのリアム・ギルがNO8に入るほか、これからクラブを支えうる若手もラインアップに加わった。
そのひとりは高本とむ。帝京大から2024年度に加入の24歳だ。以前こう述べていた。
「チームのためにハードワークする。また自分の持ち味である獲り切る力でトライを…」
身長182センチ、体重92キロのサイズで端側のWTBを務め、思い切りのよい走りと空中戦への強さを示す。実質1年目の昨季はわずか1度のみの出場も、7月には日本代表に追加招集で参加。試合には出られなかったが、ウェールズ代表戦への準備に携われた。
「行った(合流した)日にはメンバーが発表されていて。でも、呼ばれていたことをポジティブに捉えました。練習でいい印象を与えられるように頑張っていきたかった。意欲というか、取り組みを見られていると(感じた)。全力でやる。その当たり前のことを意識しました」
エディー・ジョーンズヘッドコーチとは個人面談の機会があった。ここで献身する決意を表明したら、「いいことだ。もっと頑張って」と頷いてもらった。聞けば、自身のような大きな「フォルム」の国産WTBを潜在的に求めているようだった。
今後へはランニングスピードの強化と、ハイボールキャッチの技術向上がマストだと言われた。
「何がだめかを聞きに行ったら答えてくれた。そこはやりやすいです。練習中にピリピリ感、ミスのできない雰囲気はありますけど、日本代表クラスであればそれくらいじゃないとだめかなと思います」
特に後者は、日本代表が課題に挙げている領域だ。高本はこう見る。
「高さ、跳ぶタイミングも重要ですが、(負荷のかかるゲームで)しんどいなか、どこまで(落下地点まで)スプリントし続けられるかも大事なポイントだと思いました」
今夏は7人制日本代表を支える男子セブンズ・デベロップメント・スコッドのトレーニングメンバーとしても活動したが、当面は15人制代表で定着を目指す。
来季からレギュレーションが変わって日本人選手が出場しやすくなるうえ、ブラックラムズでは前年度限りで海外出身のアウトサイドバックスが退団。現行ルール下で国内組と同列に扱われる「カテゴリA」の外国人選手が、スコッドから離れたのだ。
その意味を、高本はこう捉えている。
「(昨季)試合に出ていた選手が出ていった分、自分のチャンスは広がったと言えば広がりました。ただ、そういう選手が相手になるわけです。彼らが対面に立った時に、負けない! …という感じで捉えています」
これから始まる数カ月を競技人生のターニングポイントにできるか。
