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新キャプテン、ジェシー・クリエル[横浜キヤノンイーグルス/CTB]が語るチームメイトへの信頼。開幕戦へ「準備はできています」

2025.12.10

力強いプレーでチームを引っ張るジェシー・クリエル(撮影:木村大輔)

 12月14日の開幕戦を4日後に控えたリーグワン ディビジョン1の横浜キヤノンイーグルスが、10日の練習を報道陣に公開した。

 トレーニングはユニットに分かれてスタート。先に始動したFWはラインアウトで陣形と動きを入念に確認、スクラムでは細かな位置どりや感覚を擦り合わせる作業を進めた。BKが取り組んだメニューの一つ、センターのポイントからコーチのコール後に左右どちらかにラインを形成する練習でフィットネスとレスポンスを高めていた。

 FW・BK合同の実戦形式の練習では、高い強度で体を当て合いながら激しい攻防が繰り広げられた。約2時間の濃密なトレーニングセッションを終えた後、今季よりキャプテンに就任した南アフリカ代表CTBジェシー・クリエルがシーズンに向けた意気込みを語った。

 加入7季目で任命されたイーグルスのキャプテンという役割を「とても光栄」と表現。重ねて「周りに強いリーダーシップグループがあることがラッキーです。僕にとっての役割はそこまで変わりません。他のリーダー陣からのサポートもあるので、『気楽』にキャプテンができると思います」チームメイトへの信頼も示した。特に昨季まで3季連続でキャプテンを務め、今季は「リーダー」に就いたCTB梶村祐介について「カジから学ぶことはたくさんある」という。

 数多くの名誉と豊富な経験を有する31歳のクリエルが今年、初めてのチャレンジを成し遂げた。87キャップの試合出場記録を持つ南アフリカ代表“スプリングボクス”において、初のゲームキャプテンを務めテストマッチ3試合でチームの先頭に立ったのだ。

「初めて発表された時は当然緊張しました。でもやはり、周りに強いリーダー陣がいるので心強かったです」

 世界最強のスプリングボクスを率いる立場においても、周囲を信頼するマインドを持ち続けていることがうかがえる。

 11月1日、ロンドンのウェンブリー・スタジアムで日本代表と対戦し61-7の大勝を挙げた直後、チームメイトであるジャパンのPR祝原涼介とその場でイーグルスの戦術に関するディスカッションをしたようだ。「ラグビー好きすぎるだろ(笑)」とエピソードを話す祝原は、そんな新キャプテンに対し「やれることでジェシーをサポートしたい」と決意を語る。

 今季から就任したニュージーランド出身のレオン・マクドナルドHCは、合流後のクリエルのパフォーマンスについて「ファンタスティック」と一言。「エナジーとリーダーシップが素晴らしいです。南アフリカでのキャプテンとしての経験がクリアにリーダーシップに繋がっています。みんな、そのリーダーシップに対応しているので、良い環境にあります」とチームへの好影響をたたえた。

 もっとも、クリエルは激しい国際舞台での戦いを終えた直後で「まだ痛みがある箇所があります」と自身の状態を明かした。だが「(コンディションが)戻ってきましたし、先週末の練習試合(12月5日・対三重H⚪︎33-26)に出場できたので、徐々にチームの一員となれています」。主将として臨む初陣に向けての「準備はできています」と力強く宣言した。

 昨季8位でプレーオフ進出を逃したイーグルスは12月14日、日産スタジアムでのホストゲームに昨季最終順位5位の静岡ブルーレヴズを迎える。

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