■第105回全国高校大会 東京都予選決勝
11月9日@秩父宮ラグビー場(東京)
【目黒学院 58-5 東京朝高】
11月に入り、高校ラグビーの夢舞台である花園への出場権をかけた各地区予選が佳境を迎えた。11月9日には秩父宮ラグビー場で東京都予選の決勝がおこなわれ、第1地区は目黒学院が東京朝高に58-5で完勝。6大会連続24回目の花園出場を決めた。
冷たい雨が断続的に降る中、目黒学院は立ち上がりから強みを存分に発揮して主導権を握った。自軍キックオフからビッグタックルでペナルティを誘うと、ゴール前のラインアウトを起点にFWのラッシュでたたみかけ、HO阿部史門が開始2分に先制トライを挙げる。
これで勢いに乗った目黒学院は、以降もFB竹本悟士の精度の高いキックを軸に大半の時間を相手陣で戦い、個々の推進力を前面に押し出してゲームを支配。自在にボールをつないでNO8ロケティ ブルースネオルらが次々とトライラインを越え、34-0と大きくリードして前半を折り返した。
後半に入っても目黒学院は圧力を緩めず、FW、BKが一体となったアタックでトライを重ねる。守ってもタックルで厳しく体を当てて相手の攻撃を寸断。勢いを持続したまま試合を優勢に進めた。
東京朝高も0-58で迎えたロスタイムに相手陣深くまで攻め込み、チーム一丸となって力勝負を挑む。塊となってトライラインを越え、意地の5点を返したが、直後にフルタイムの笛が鳴らされた。
目黒学院のCTB及川拓巳キャプテンは試合後、「最初の接点で自分たちのラグビーをできるかどうかが決まる。そこに集中しようといって臨んだ」とコメント。その言葉通りの試合運びで完勝を収め、連続出場を6に伸ばした。
■第105回全国高校大会 東京都予選決勝
11月9日@秩父宮ラグビー場(東京)
【早稲田実 27-22 東京】
続く第2試合は、2大会ぶりの優勝に燃える早稲田実が、準決勝で第1シードの國學院久我山を破り勢いに乗る東京との熱闘を27-22で制し、9回目の花園出場をつかんだ。
先にペースを握ったのは早稲田実だった。開始2分に右コーナーのラインアウトからBKへ展開し、CTB中山大翔のオフロードからHO村山康剛が飛び込んで先制。さらに10分、19分にもトライを加え、17-0と先行する。
思うようにチャンスを作れなかった東京も23分過ぎに相手ペナルティに乗じてレッドゾーンへ攻め込むと、FWで力勝負を挑む。ドライビングモールからサイドに持ち出したHO今村太一が左中間に押さえ、5点を返してハーフタイムを迎えた。
後半も先にスコアを挙げたのは早稲田実だった。5分、CTB中山が左中間約40メートルのPGをきれいに通し、20-5と2チャンスでも追いつけない点差に広げたが、東京も続くターンですかさず相手陣22メートル線内に攻め込み、自慢のモールを押しきってトライ。10-20と食らいつく。
その後も緊迫した展開が続き、互いにピンチをしのぎ合う流れの中、次の得点を刻んだのは早稲田実だった。14分、中盤のペナルティから一気に相手陣ゴール前へ前進すると、ラインアウトモールを粘り強く押しきってトライ。しかし東京も諦めず、17分に自陣からNO8杉田陽悠キャプテンのビッグゲインで大きく切り返し、SO後藤深山が密集サイドを抜け出して15-27と追走する。
ラスト10分は壮絶な死闘となり、懸命に追いかける東京29分にスクラム起点のサインプレーでFL千野哲平がトライ。さらに続く早稲田実のキックオフがダイレクトタッチとなり、センタースクラムのチャンスを得る。
そこから東京が懸命に攻め続け、相手陣22メートル付近まで攻め込んだが、早稲田実も渾身の防御で対抗し、粘り強く接点で圧力をかける。最後は我慢比べを制する形で5点差を守りきり、歓喜の瞬間を迎えた。
