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【日本代表】南アフリカ・スプリングボクスに9トライ奪われ完敗。世界王者の緑の壁に屈す。

2025.11.02

南アフリカのSOサシャ・ファインバーグ=ムンゴメズルを追う、日本のSH藤原忍(9)とFB矢崎由高(Photo/Getty Images)

ラグビー日本代表戦 4週連続WOWOWで!
11/8(土)午後9:00「アイルランドvs日本」生中継

■リポビタンDツアー2025
11月1日@ウェンブリー・スタジアム(ロンドン)
【日本 7-61 南アフリカ】

 世界ランキング13位・日本代表の欧州遠征「リポビタンDツアー」の第1戦。2015年のW杯での“ブライトンの奇跡”で勝利を挙げたランキング1位・南アフリカ代表“スプリングボクス”と10年ぶりにイングランドで対戦した。

 試合会場である“サッカーの聖地”ウェンブリーは雨が降るコンディション。立ち上がりからペナルティが重なった日本に対し、南アフリカは前半4分にラインアウトモールからFLシヤ・コリシがトライをマーク。SOサシャ・ファインバーグ=ムンゴメズルが右の鋭い角度からコンバージョンを決めて7点を先制する。

 その後もキックを駆使してテリトリーで優位に立つ南アフリカ。13分に司令塔のSOファインバーグ=ムンゴメズルが深い位置にキックして自ら再獲得に走り、日本のSO李承信との競り合いでボールがこぼれると自らつかんでトライ(G)。SOファインバーグ=ムンゴメズルは18分にも鋭いランニングで日本のディフェンスラインのギャップを切り裂き、右中間にグラウンディングしてリードを19点に広げた。

 日本は28分に右サイドのラインアウトからチャンスを作る。LOワーナー・ディアンズがキャッチし一度モールを作ってからすぐHO佐藤健次に戻しインサイドにラン、相手を引きつけてからNO8リーチ マイケルにパスを放ったが、目の前のSOファインバーグ=ムンゴメズルにインターセプトをされてトライとはならず。

 その後の36分、日本はトライライン前のモールディフェンスでペナルティトライを献上し、PR竹内柊平がイエローカードを受け10分間の一時退出となる。前半は日本が得点を加えられず、0-26のスコアでハーフタイムを迎えた。

 後半最初のトライも南アフリカが奪う。2分に日本のFLベン・ガンターがヘッドコンタクトでシンビンとなり数的不利が継続される中の7分、SOファインバーグ=ムンゴメズルのディフェンス突破からオフロードパスでつないでPRウィルコ・ロウが中央にグラウンディングし7点を追加。

 日本の唯一の得点は後半12分、連続攻撃で攻め込みトライライン目前で相手のノットロールアウェイのペナルティを誘うと、クイックタップでFB矢崎由高が飛び込み中央にトライ。SO李のコンバージョン成功で7点を返した。

 18分にハイボールが乱れたシチュエーションから南アフリカのWTBカート=リー・アレンゼがトライ(G)を決めると、以降の時間帯で日本の集中力に陰りが見えてくる。ここから3トライ3ゴールを奪われ、トータルスコア7-61でフルタイムを迎えて敗戦。日本の南アフリカ戦の対戦成績は1勝3敗となった。

 エディー・ジョーンズHCは「キーエリアで劣勢になってしまった。ボールを取ってもネガティブなシチュエーションのポゼッションで自分たちの展開に持ち込めなかった」と世界王者のプレッシャーを表現した。

 日本で唯一トライを挙げた早大3年のFB矢崎由高は「テレビで観ている選手が目の前にいっぱい」というスプリングボクスとの対戦について「“すごいな”と思っているだけでは対等には勝負できない。そこで『勇気』というマインドを持てたことがいい経験でした。経験で終わってはダメで後々の僕の糧になると思うので、今日は試合ができてよかったです」と敗戦から得た収穫を語った。

「リポビタンDツアー」は今後、アイルランド戦(8日・ダブリン)、ウエールズ戦(15日・カーディフ)、ジョージア戦(22日・トビリシ)の4試合が続く。※日時は現地時間

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