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自分の人生を変えてくれた人との初競演。石田吉平[日本代表/WTB]

2025.10.31

キックを多用する南ア代表に対して、「準備はしています」。「逆にチャンスにして相手を崩していきたい」(撮影:BBM)

ラグビー日本代表戦 4週連続WOWOWで!
11/2(日)午前0:45「日本vs南アフリカ」生中継

 日本代表は日本時間で11月2日の1時10分に、欧州遠征の初戦を迎える。
 南アフリカ代表とのテストマッチだ。

 右WTBには前週のオーストラリア代表戦に続き、石田吉平が入る。
 7キャップ目にして、世界ランキングでトップを走るチームと対戦する機会を得た。

 対するスプリングボクスには、横浜キヤノンイーグルスで同僚のCTBジェシー・クリエルが先発するが、「あまり気にしないようにしています」。

「もちろんすごく楽しみですけど、日本代表としてどういう戦いをして相手に勝つかが一番のフォーカスです」

 ワラビーズ戦では、相手のアタックを止める好タックルで接戦の演出に貢献。「チームとしてのディフェンス力はすごく上がってきている」とするも、自身への評価は厳しい。

「ポジディブに戦えていると感じますが、トライを取ることができなかった。修正するところはまだまだあります。低く入ってレッグドライブでもっと前に進みたいし、次の仕事をもっと探さないといけない。タックルした後には、ジャッカルのチャンスがあります。一つの仕事で終わらず、二つ目の仕事を追求していきたいです」

 サッカーの聖地であるウェンブリー・スタジアム(ロンドン)での一戦に向け、チームは試合日の3日前に日本を発った。
 現地での準備期間は2日というタイトスケジュールではあるが、セブンズの代表キャッパーは意に介さない。

「自分は結構海外(遠征)に慣れているので。あまり気にしていません」

 2015年ワールドカップでの南ア戦勝利から10年が経過したことを記念して、マッチメイクが叶ったこの試合。石田は当時、中学3年生だった。

「ラグビーが一気にメジャーになった瞬間でした。僕の中学でラグビーをやっていたのは二人だけでしたが、次の日から人気者になりました」

 流行した「五郎丸ポーズ」を求められれば、それに応えたと笑う。
 その4年後、スプリングボクスは日本開催のワールドカップでトロフィーを掲げた。

 巨人を揃える王者にあって、石田はWTBチェスリン・コルビ、SHファフ・デクラークといった小兵に目を輝かせた。
 167センチの自分と重ねた。

「高校まではFWで、大学からWTBをやり始めたけど、なかなかうまくいっていなかった時期でした。15人制はもう無理なのかなと。でも、サイズを言い訳せずに戦っているのを見て、すごく勇気をもらいました。自分の人生を変えてくれたと言えば大袈裟ですが、そのくらい影響を与えてくれた人たちです」

 デクラークは残念ながらメンバー外も、コルビはFBで先発する。
 リーグワンでの対戦が叶わなかったから、初めて相対することになった。

 クリエルの時と同様、「あまり考えすぎないようにしている」と戒めながら、「ワクワクしています」と白い歯を見せた。

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