10月29日、ワールドカップ2025イングランド大会で女子日本代表のキャプテンを務めた長田いろはが大役を担った。
プロ野球「日本シリーズ」第4戦の始球式をおこなったのだ。
ラグビー選手では2015年の五郎丸歩(第1戦)をはじめ、2018年の小澤大(第4戦)、2020年の福岡堅樹(第4戦) 、2023年の稲垣啓太(第4戦)と続く。
女子選手としては初めてこの大舞台で投球を披露した。
4万人超の観客が見守る甲子園のマウンドに上がる。
バッターボックスには福岡ソフトバンクホークスの柳田悠岐。阪神タイガースの捕手、坂本誠志郎がミットを構えた。
「めちゃくちゃ緊張しました」
放たれたボールは大きく右に逸れた。
「練習ではしっかり真ん中に投げられていたんです! ボールが抜けちゃいました」
初の始球式。初の甲子園。初めてづくしだった。
「4万人の観客の前で試合をしたこともありません。ああいう舞台でパフォーマンスを発揮する難しさを感じました」
投球前には30分ほど、室内練習場で練習した。
キャッチボールに付き合った阪神の関係者からは、「マウンドに立つと緊張して(動きが)早くなるから、心の中で1、2、3と唱えながら投げるといいよ」とアドバイスを受けたという。
「初めての始球式だったので、(佐藤)優奈や(中村)知春さん、(堤)ほの花ちゃんの始球式の映像も見て、参考にしたつもりでしたが…」
25日の日本代表のオーストラリア代表戦では、こちらも4万人超の国立競技場で試合前にワールドカップの報告をおこなっている。「女子ラグビー」の露出が増えていることを喜ぶ。
「こうした機会をいただけるのはすごく光栄ですし、すべての機会に感謝しています」
長田は26日に開幕した関東女子大会に、アルカス熊谷の一員として出場する。
11月2日には横河武蔵野Artemi-Starsとの初戦を迎える(横河電機グラウンド/11:30KO)。
「このプレシーズンは自分が経験したことをチームに還元してきました。去年達成できなかった全国大会出場を成し遂げたいです」
