ラグビーリパブリック

2025年韓国国体はポスコE&Cと培材高が優勝。

2025.10.27

ポスコE&Cが6年ぶりの優勝を飾った(筆者撮影)

 2025年の韓国の国体「第106回全国体育大会」のラグビー競技が、釜山市内で10月13日から23日まで開催された。一般の部(社会人、大学)と高校の部にそれぞれ13地域の代表が参加し、韓国ナンバーワンを競った。

 23日に決勝がおこなわれ、一般はポスコE&Cが前半4トライのリードを守り韓国電力に31-28(前半24-7)で勝利。2019年以来の覇権を得た。韓電は連覇を逃した。

 高校は今季国内3冠の絶対王者・培材高(ペジェ)が忠北高(チュンボク)から6トライを奪って42-24(前半21-10)と退け、国内4冠と大会連覇を達成した。

 一般決勝は風上の韓国電力のキックオフで始まった。お互いに15人制代表を有し手の内を知るライバルだ。8分、ポスコが敵陣で左ラインアウトを押しこむと、HO李ジェミンが最初のファイブポインターになる。GはSOユ・ジェヒョクが難なく蹴り込み7点を先制。

 対する韓電は代表FBの金ギミンらの長距離キックでエリアを稼ぐ。17分、ポスコFB李ギョンファンがキックをハーフラインで受けると走り切った(14-0)。30分にも5点を追加し19-0に。

 元神戸、韓電LO張ソクファンは「ポスコのブレイクダウンが厳しかった」。なかなか22メートル線内に侵入できない。ようやく35分、ポスコゴール前5メートルのPK。張にパスが渡る。トライライン手前のラックからLO金デファンがライン上へ置いた。GはFB金が決めて7点を返す。しかし39分にポスコNO8ノ・ミョンスが仕留め、24-7でハーフタイムに。

 韓電PR羅グァンヨン(元クボタ)は、チーム事象を明かす。メンバー登録は22名だが「リザーブは4名でした」。対戦相手も1回戦が昨年の決勝の相手OK金融(49-5)、準決勝が現代グロービス(29-19)と「気を抜けない試合が続いた。ケガ人も出ました。疲れが残っている」。リザーブ20番、代表トライゲッターの張ヨンフン(元NTTコミュニケーションズシャイニングアークス)もケガで給水係だった。

 21番の東京五輪代表主将を務めたベテラン朴ワンヨンは前半18分からピッチへ。もう一人のベテラン韓コンギュも後半開始と同時に投入された。ポスコは対戦に恵まれ1回戦から準決勝まで、すべて大学生相手に完勝していた。

 後半もポスコが優勢。4分すぎに韓電ゴール前で韓電PRチェ・ホヨンにイエローカードが出され退出。ポスコはまよわずスクラムを選択する。押し込む。出てきたボールをSH金ファンソクがポスト左に置いた(31-7)。

後半7分、ポスコSH7金ファンソクが試合を決めるトライをマーク

 ここから韓電が反撃。11分ゴール前の反則を得ると、タップでつなぐ。LO韓が左中間へ5点をマーク。G成功し14-31。さらにリスタートのボールをLO韓のゲインでゴール前へ。ラストパスを受けた代表SH李ゴンが連続トライ。21-31と迫る。

 16分に韓電PRチェがレッドカードとなった。それでも敵陣へと入る韓電。残り10分以上を攻め続けるもラインアウト・モール内でのオブストラクション、さらにはベテラン朴へのラストパスがフォワードパスでチャンスを自ら潰した。40分ようやくトライゾーンへ運んだが、試合は31-28でポスコの勝利に終わった

残り10分、韓国電力が10点を追いかけるも届かず

 ポスコ監督は元NTTドコモの朴スンチェ氏。「前半から選手たちが良い動きを見せてくれた。後半のラスト10分、ディフェンスが効いた」と選手たちを称えた。数年前に監督に就任、試合前に「ストレスで大変」と話していた。ようやく解放されたか。

<高校は絶対王者が完勝>
 培材高(ペジェ)と忠北高(チュンボク)の顔合わせになった高校決勝戦。培材は1回戦で富川北高(プチョンポク)を43-0と圧倒、2回戦は仁川機械工業高を24-7と下し4強入り。準決勝は、春季リーグ覇者の大邱商苑高を26-10で破り決勝へ。一方の忠北も2回戦で地元、釜山体育高を前後半同点12-12で終えるとキック合戦を5-4で制した。準決勝は格下の全南に後半、23-19と迫られたが30-19で勝利した。

大会連覇、今季国内4冠を達成した培材高

 決勝戦。前半から培材が優勢に。3分、左ラインアウトから進むとまずはFL金スギョムがポスト左へねじ込んだ。シーズンを通してキックが好調のFBチョ・ウミンが2点を追加する。

 8分、忠北は敵陣22メートル線外でPKを得るとPGを選び、FB李ソンジェが3点をマーク(3-7)。15分、培材CTB李ジェヒョンが敵陣へ入るとループキックで相手の頭を超す。そのボールを拾いトライゾーンへ入った(14-3)。

前半15分、培材CTB李ジェヒョンがチーム2人目のファイブポインターに

 5分後、今度は忠北が培材ゴール前のPKをタップで始めNO8ユ・ジョンホが中央へダイブ、10-14と追いすがる。2分後、培材CTBチ・ユンホがキックリターン、ハーフウェーラインからランで仕留めた(21-10)。

 後半はわずか47秒、忠北がボールをつなぎWTBク・スンモへ。17-21とシーソーゲームを続ける。しかし培材は4分にWTBオ・ジンソン、9分にはFL金スギョムの連続トライ。FBチョもGを確実に決めて35-17とリードを保つ。23分に培材、26分は忠北が7点を奪い合い42-24で終焉を迎えた。

後半開始47秒、忠北高ク・スンモがラストパスを受ける
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