ラグビーリパブリック

ハードタックル連発。日本代表ベン・ガンターがオーストラリア代表戦前に思ったこと。

2025.10.26

オーストラリア出身のベン・ガンター(撮影:イワモトアキト)

 育った国とは2度目の対戦。ラグビー日本代表ベン・ガンターがタックルを重ねた。

 10月25日、東京・国立競技場。オーストラリア代表に挑んだ。21年に大分・昭和電工ドームで23-32で敗れて以来の激突だ。

 ハードヒッターが最初に光ったのは前半2分頃か。自陣中盤で刺さった。こちらもオーストラリア出身のジャック・コーネルセンとともになぎ倒した走者は、そのまま味方のスティールの餌食となった。

 その後も自陣ゴール前での突進の連発へ対抗し続けたり、キックを捕ったばかりの相手へベストタイミングで打ち込んだり。

 競技のポータルサイトである『RUGBY PASS』によると、20本のタックルを成功させた。圧倒的な一撃がカウントされるドミナントタックルは、両軍最多となる3本をマークした。

 戦前の世界ランクで6つ上回る7位の国と、最後まで競り合った。16年に来日して練習生からプロ選手となった28歳は、決意していた。

「我々のアタックは素晴らしい。そんななか、私は防御で存在感を出したい。相手に勢いを与えず、日本に恩返しができたら」

 もっとも15-19で敗れた。序盤に度重なる被ターンオーバーやペナルティーがあり、3-14とリードされていた。

 後半21分にはトライも決めて同32分まで出たうえで、こう総括した。

「向こうがラック周りを攻めてくるのはわかっていて、彼らは実際にそうしてきました。必死に食らいつき、持久力で戦いました。今回の課題は試合のスタートです。それ以降から終盤はよかっただけに、スタートをよりよくしたい」
 
 さかのぼってキックオフ前。フィールドに整列し、オーストラリア国歌を耳にする時はそっと目を閉じていたような。

「不思議な感覚でした。幼い頃は、いつかこのような場所で(オーストラリアの)国歌を歌いたいと思っていました。実際には逆の立場になり、日本代表の一員としてここに立っています。誇らしいことです」

 出身地とのバトルは、国際ラグビーの醍醐味なのだ。日本にルーツを持ち、過去に2度母国オーストラリア代表を率いた日本代表ヘッドコーチのエディー・ジョーンズはそのように述べる。

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