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クボタスピアーズ船橋・東京ベイ、キーワードは「GRIT」。頂点への道を再び一歩ずつ

2025.10.11

今季のジャージーのお披露目も。中央の安江祥光が着用している1stジャージーが新しいデザインに。2ndジャージーを押川敦治が、3rdジャージーをオベティ・ヘルが着て登場(撮影:編集部)

 10月11日、クボタスピアーズ船橋・東京ベイが2025-06シーズン方針発表会見をおこなった。

 フラン・ルディケHCから発表された今季のチームスローガンは「GRIT(グリット)」。直訳すると、「根性」「気骨」「やり抜く力」という意味をもつ。この言葉に、昨季はあと一歩届かなかった頂点を目指して、情熱と忍耐力をもってシーズンを戦い抜き、必ず辿り着くという決意を込めた。

 ルディケHCは「一番大事にしたいのは、人材とプロセス」と語り、成長を続ける若手を中心としたチーム全体の力をさらに向上させていく過程が、勝利へとつながることを強調した。

 前川泰慶GMは、今季大型の補強をしなかったことについて「チームの雰囲気に共感して、スピアーズを選んでくれる有望な選手たちがここ数年増えてきました。さらに、昨季リーグワンでなかなか出場機会を得られなかった選手たちが、練習試合で素晴らしい準備とパフォーマンスを見せてくれた。彼らの可能性を信じて、もっと成長をさせたいというのが一番の理由です」と話した。

 スピアーズは昨シーズン中の練習試合で6戦無敗の成績を収めた。今季から始まった、リーグワンキャップ15以下の選手が中心となって戦うリーグワン ライジング2試合も快勝した。
 ルディケHCも、練習開始から約2か月、一つひとつ準備を積み上げていることに手応えを感じている。「リーグワンライジングの試合や練習のなかでも選手たちが成長して、昨シーズンの決勝のときの差を少しずつ縮めているのを感じます」と大きな期待を寄せる。

 押川敦治は、ライジングの2試合で本来のポジションであるスタンドオフとして出場、ゲームをしっかりとコントロールした。昨季フルバックとしてプレーした経験も生きている。アウトサイドの選手がどんなボールを欲しがるか、どんな動きをしているのか、ということがよく分かるようになり、視野が広がった。
「スタンドオフは瞬時の判断が必要ですし、ゲームをドライブさせなくてはいけないので、プレッシャーを感じていますが、それを楽しむこともできています。ゲームメイクをするうえでまだまだ課題は多いので、どうやってチームを勝たせるか、ということを考えながらシーズンに向けて進んでいきます」。

 今季に入って唯一の新加入選手である安江祥光は、「良いラグビー選手である前に良い人間であれ、ということを一人ひとりが体現していて、本当にいいチームだなあと感じています。41歳で新人なんて意味のわからないやつにも、覚えなくてはいけない戦術などを丁寧に教えてくれる。若手選手たちと一緒に僕も少しでも成長していきたいです」と満面の笑み。19年目となる現役生活で未だ経験したことのない優勝を、新しいチームメイトとともに手にする決意だ。

 スピアーズの今季の運営テーマは「Together We Rise!!」。チームを支えるすべての人たちと共に高みを目指し、黄金期をつくる、という想いが込もっている。
 えどりくスピアーズフィールドでは、ゴール裏の仮設シートを復活させたり、スタジアムまでの道をより楽しめる仕掛けをしたりなど、ファンが楽しめる企画もますます充実させる予定だ。

 昨季の悔しさを晴らし、国立の舞台で喜びを分かち合うために。スピアーズは、より強くつながり合い、共に一歩ずつ頂点を目指す。

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