特大のポテンシャルを持つ原石が、全国各地から集うプロジェクト「ビッグマン&ファストマンキャンプ」。今夏も菅平高原で2泊3日の合宿がおこなわれた。
試合形式の練習で、力強いボールキャリーを見せたのが関商工の加藤智也だ。
1年生にして180センチ、118キロとサイズに恵まれている。
男4兄弟の末っ子に生まれた。三男とは4歳、長男とは9歳離れているが、幼少期から「みんなと同じ量を食べていました」。
「それで小学生のときに太り過ぎてしまって。走るスポーツをやって、体を絞ろうと思ったんです。それでラグビーを始めましたが、効果はなかったです(笑)」
柔道に励んだ次男、三男に倣い、自身も中学3年時までは柔道を習った。
小学5年時からは一宮ラグビースクールで楕円球も追ったが、中学3年時には135キロまで増えた。
15キロ以上の減量に成功したのは関商工入学後だ。1時間半を要する県を跨いでの登下校が、トレーニングになった。
「学校から駅まで自転車で30〜40分かかります。途中に桐谷坂という坂があり、山を越えないといけません。そこでだいぶ足腰は鍛えられました」
最近はボールキャリーで前に出られるようになった。当たってからもすぐに倒れず、一歩、二歩と前進。背番号3のジャージーを着る機会も増えた。
今回のキャンプには自薦で応募した。「みんなが仲良くしてくれて、コーチ陣も最高の人たちばかり。充実しています」と笑顔になった。
特に國學院栃木の1年生、中村太郎(178センチ、123キロ)から刺激を受け、面談を担当した大島脩平コーチからは、強豪大学でも通用すると発破をかけられた。
地元の大学への進学をぼんやり考えていたが、目標設定が変わりそうだ。
「自分はそこまで強くないと思っているので。そう言われて自信がつきました」
目下の目標は花園出場。今季は新人戦、県総体といずれも優勝を逃している。
「東海総体予選は自分のノックオンで試合が終わってしまいました(岐阜工に21-24で初戦敗退)。それからハンドリングの部分で恐怖心がまだ残っているので、ここで克服したいです」
キャンプで取り戻した自信を携え、初めての花園予選に挑む。