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【関西大学リーグ】春王者の立命館大が近大に敗れて連敗。天理大、京産大、関西学院大は順当勝利。

2025.09.29

攻守に光る関西学院大WTB武藤航生(撮影:平本芳臣)

■関西大学Aリーグ
・9月28日@遠州灘海浜公園球技場(静岡)
【近大 35−24 立命館大】

 開幕戦で同志社大に敗れた近大が奮起した。遠州灘海浜公園球技場での第1試合で、立命館大を35-24で破った。
 立命館大は前節(関西学院大戦)での敗戦に続く2連敗。苦しい戦いが続いている。

 近大はゲームの序盤から主導権を握った。この日は攻守の切り替えが冴えた。
 5分の先制トライは相手のハイパントを切り返す。自陣22メートル付近からWTB太田啓嵩がラインブレイク、そのままトライを挙げた。

 その後も立命館大はラインアウトの確保に苦戦し、スクラムで反則を重ねる。
 NO8𠮷川大智のスティールでピンチを脱出した20分にこそ、WTB三浦遼太郎がトライを奪うも、以降は守勢に回った。

 30分には、近大が15フェーズ近い連続攻撃で中盤エリアからじわじわ前進。最後はLO楠大輝が抜け出した。

 その5分後には相手のキックオフミスを突いてNO8小西泰誠がねじ込む。
 前半終了間際には自陣のスクラムからの一次攻撃でSO中村優介が抜け出し、WTB太田の2トライ目をアシストした。

 28-5で折り返した後半。追いかける立命館大が、息を吹き返した。

 13分に敵陣22メートル内のスクラムからスワーブを切ったFB久保田創大が右中間に飛び込むと、直後にはシンビンで数的不利の状況ながら長く敵陣に過ごした。

 スクラムでも優勢に回り、ミスを相手の反則で取り返した。しかし、追加点は挙げられなかった。

 28-10のまま迎えた終盤、今度は近大の連続攻撃に遭い、トライを許す(36分)。
 試合終了間際に2トライを返すも、時すでに遅し。ボーナスポイントこそ与えなかったが、35-24のスコアで試合を終えた。

■関西大学Aリーグ
・9月28日@遠州灘海浜公園球技場(静岡)
【天理大 57−5 摂南大】

 残す3試合は、前年や開幕節での力関係と変わらない結果だった。
 遠州灘での第2試合は天理大が57-5で摂南大に大勝した。

 試合開始直後から、自陣からでも果敢に攻めた。ミスやエラーを重ねて相手にボールを渡すこともあったが、その度にスクラムで奪え返した。

 開始2分のトライは、WTBフコフカ・ルカスの走力でゴール前まで運び、直後のスクラムでターンオーバー、まもなくFLアリスター・サウララがトライラインを越えた。

 3分後には自陣深くでのミスをつけ込まれ、7-5と迫られるも、19分には再びスクラムでの攻守逆転からサウララが2トライ目。
 ゴール前での決定力を見せつけたサウララは、26分のトライで早くもハットトリックを達成した。

 摂南大も防戦一方だった開幕戦とは打って変わり、タックルで相手にプレッシャーをかけられていたが、ディフェンスの時間があまりにも長過ぎた。

 天理大は35分にFBフィリモネ・サイアのハイパントキャッチを起点に5トライ目が生まれ、26-5でハーフタイムを迎えた。

 後半も流れは変わらず、天理大がコンスタントにトライゾーンに入った。
 6分から15分までに和田の2本など3トライを挙げ、スコアは45-5に。

 後半の中盤には摂南大にもアタック機会が何度かあったが、ノックフォワードやパスミスなどのエラーを繰り返し、無得点に終わった。

 終盤には和田も3本目のトライを奪い、WTBルカスも2トライを挙げてノーサイドとなった。

終盤に追い上げを見せた同志社大(撮影:平本芳臣)

■関西大学Aリーグ
・9月28日@紀三井寺公園陸上(和歌山)
【関西学院大 34−21 同志社大】

 春王者の立命館大を開幕戦で破って早々に今季の下馬評を覆した関西学院大と、こちらも4年ぶりの開幕戦勝利で勢いに乗る同志社大が対戦した。

 連勝を飾ったのは関学。終盤の猛追を振り切り、34-21で勝利を収めた。

 関学は立ち上がりからエンジン全開だった。10分、NO8小林典大のスティールを起点に敵陣深くに侵入すると、FWがゴール前の肉弾戦を制す。

 その後も堅守を披露した。16分には敵陣22メートルライン付近でターンオーバーを引き起こし、小林が今度はトライを挙げた。

 23分のチーム3トライ目も小林のスティールが起点となった。
 ゴール前のラインアウトモールからHO田中健太が抜け出す。17-0までリードを広げた。

 以降もブレイクダウンで何度も攻守逆転、相手のモールも止めた。
 しかし、37分には同志社HO荒川駿のこの日2度目のスティールを起点にモールを押し込まれる。

 ただ、その直後のキックボールをマイボールにすると、まもなくFB的場天飛が右コーナーでトライを生む。22-7とリードを保って前半を終えた。

 後半も関学の勢いは止まらず、2分に敵陣22メートルライン左のスクラムから一発で取り切る。
 20分にはタックルで相手の落球を誘い、そのボールを広いスペースで受けたWTB原田海人が豪快なランでトライラインを越えた。

 34-9。試合の勝敗はここでほぼ決まったが、同志社大はここから反撃を開始した。
 FB的場にトライセーブタックルを受けながらも、粘り強く攻め続ける。

 43分、46分とCTB森岡蒼良のランなどで連続トライ。その後もボーナスポイント獲得を狙い、攻め手を緩めなかった。

 試合終了間際、さらに1トライを奪ったかに見えたが、最後はFB的場、NO8小林のタックルでトライライン直前でタッチラインを割った。
 34-21でノーサイドの笛が鳴った。

京産大LO石橋チューカ(撮影:平本芳臣)

■関西大学Aリーグ
・9月28日@紀三井寺公園陸上(和歌山)
【京都産業大 48−10 関西大】

 京産大が48-10で関西大を破り、連勝を2に伸ばした。
 開幕戦以上に強みを全面に出した。

 9分の先制トライはモールでのターンオーバーから。自陣からオフロードパスを繋ぎ、最後はLO石橋チューカがポール下に飛び込んだ。

 14分にはCTB神戸逸玖にトライを許すも、続く21分にはこの日1本目から相手のペナルティを引き出していたスクラムで見せる。
 敵陣ゴール前の相手ボールスクラムで猛プッシュ、塊をトライゾーンまで押し込み、NO8シオネ・ポルテレが奪ったボールを置いた。

 FB宮里快一の50:22キックを起点にNO8ポルテレが一人を突き飛ばして2トライ目を挙げたのが29分。34分、42分にもトライを挙げ、33-10でハーフタイムを迎えた。

 後半もトライを重ねた。相手のディフェンスに粘られていた9分、ゴールラインドロップアウトで蹴られたボールを受けたCTB奈須貴大が個人技で敵陣を走り切る。

 15分にも奈須がラインブレイクを決め、WTB馬田琳平にラストパスを送った。
 以降は互いに敵陣深くに侵入しながら、スコアできない時間帯が続く。

 均衡を破ったのも、やはり優勢だったスクラムからだった。相手のペナルティを誘い、最後はモール押し込む。京産大の得意の形で試合を締めた。

苦しい戦いを強いられている関西大(撮影:平本芳臣)
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