ラグビーリパブリック

【2025年度戦力分析・早稲田大学】精度を追求し、覇権奪回期す。

2025.09.12

FB矢崎由高(撮影:長岡洋幸)

[早稲田大学(昨季大学選手権 準優勝/関東大学対抗戦A 優勝)]

 最後に大敗してシーズンを終えていた過去数年の反省を踏まえ、昨季は春から勝利へのこだわりとディフェンス強化を前面に押し出してチーム改革に着手。日本一にはあと一歩届かなかったものの、関東大学対抗戦で17年ぶりとなる全勝優勝を果たし、大学選手権決勝でも帝京大と接戦を演じるなど大きな手応えをつかんだ。その決勝に出場したメンバーが数多く残る今季は、「昨季のいい流れを踏襲しつつ細部の精度をより追求」(大田尾竜彦監督)し、6年ぶりの覇権奪回を期す。

 戦力を見ると、FWでは大黒柱だった佐藤健次が卒業したものの、各ポジションに学生屈指の実力者がそろう。特にセットプレーの鍵を握るフロントローの層が厚い点は大きな強みになるだろう。佐藤の後任を務めるHO清水健伸(3年)は春のU23日本代表の豪州遠征でゲーム主将を務め、エディー・ジョーンズHCからも高い評価を得た。右PRも前田麟太朗(2年)、平山風希(1年)ら下級生が非凡なポテンシャルを示している。

 世代を代表するタレントが並ぶBKは昨季以上のラインに仕上がりそうだ。要として攻守をコントロールするのは、野中健吾主将(4年)と福島秀法(4年)のCTBコンビ。SO服部亮太(2年)は体がひと回りたくましくなり、ゲームを仕切る姿に落ち着きが出てきた。アウトサイドにもWTB田中健想(2年)、WTB/FB植木太一(2年)ら決定力あるランナーがひしめく。

 今季も最大のターゲットとなるのは帝京大。春季大会では最終盤の逆転トライで36-35と競り勝ったが、8月17日の夏合宿初戦は接点の攻防で後手に回り17-35で完敗を喫した。NO8城央祐(2年)、FB矢崎由高(3年)らが不在だったとはいえ課題が浮き彫りになる内容で、いかに立て直せるかが注目される。 

(文:直江光信)

※ラグビーマガジン10月号(8月25日発売)の「大学ラグビー主要3リーグ各校戦力分析」を再編集し掲載。掲載情報は8月18日時点。

<夏季練習試合 結果>※Aチーム戦のみ
8月17日 vs帝京大●17-35
8月24日 vs天理大○42-14

Exit mobile version