しぶとく戦う。
サクラフィフティーンこと女子15人制ラグビー日本代表は、イングランドでのワールドカップに参戦。現地時間22日に開幕した大舞台で24日に初戦を迎え、4チームある予選プールで2位以内に入って8強入りしたい。
「前回は怪我から復帰してすぐに代表に呼んでいただいて、すぐにワールドカップへ…という状態でした。自分のことで精いっぱいで、チームの基準にも追いついていませんでした。そこを経て、3年間、レベルアップしてきました。チームのために何ができるかを考えてやってきました」
こう語るのは吉村乙華。24歳にして大会出場は2度目となる。
22年にあった前回のニュージーランド大会へは、大学生にして参加も3戦全敗。今度は結果にコミットしたい。
いまはレスリー・マッケンジーヘッドコーチのもと、若くしてグラウンド外でリーダー格を担う。HOの谷口琴美とともに、チームでの行動規範を表す「サクラスタンダード」の良化に励む。主体的に戦うよう周りを促す。
「チームの流れ、自分たちがどうするかについて決めるのは、グラウンドに立っている私たちです。オーナーシップを持ってやっていかないと」
フィールドでも渋く光る。FW第2列のLOで174センチの長身を生かしながら、タックル、スティールと地上戦で際立つ。
「自分の強みはディフェンスだと思っています。ただ、ワールドカップでは(ライバルの圧力などが)ひと味違った体感になると思うので、もっともっとハードワークしなきゃいけない。課題はたくさんあります」
仲間とも繋がる。立ったボール保持者を軸に固まるモールでは、推進役として味方と密着して前進する。このエリアを指導したマーク・ベイクウェルFWコーチとの二人三脚で、チームの得点源としている。
「(ベイクウェルは)練習中は本当に妥協を許さない。皆さんが想像するような『厳しい(恐ろしいの意味か)』とはちょっと違って、基礎の部分、リフトの精度やスピードについて(必要項目が)ひとつでも欠けていると『ここはもっと…』と細部まで突き詰める厳しさがあります。自分たちの役割を全うしないと、あれ(質の高いモール)はできない」
初陣はノーザンプトンのフランクリンズ・ガーデンで迎え、アイルランド代表と対峙する。進歩した実感をスコアで証明したい。