早くも今季で5回目だ。
日本協会の普及育成部門が2021年度にスタートさせたラグビー・エンパワメント・プロジェクト(REP)は、現役高校生を対象に、ラグビーの精神を活かして活躍する先輩の話を聞き、将来的に社会に貢献する人材を育てる試み。毎年20人前後が受講生となるが、応募者は年々増加。修了生はラグビー部のスタッフやコーチをしたり、スポーツナースを目指して専門学校に通ったりと、それぞれラグビーに仕事として携わる将来を目指している。
そのREPが今年も8月6日、福岡市JAPAN BASEでの2泊3日の合宿からスタートした。
ワールドラグビー(WR)は5つのラグビー憲章を定めているが、REPでは毎年、独自の「6つ目のラグビー憲章」を定めている。初日の話し合いで、今季は「継続」に決まった。
3日間の合宿は様々なメニューが組まれた。2日目には福岡をベースに活躍するセブンズ元日本代表の築城昌拓さん、男女7人制ストラテジーアドバイザーを務めた徳永剛さんの講義に、「T1ラグビー」の体験。T1ラグビーとはタックルなしで簡単なスクラム、ラインアウトが組み込まれ、よりラグビーの要素が強く、WRが近年、普及を進めているラグビーだ。
JAPAN BASEは15人制、7人制の男女代表が使用する施設でもあり、同時期に男子セブンズ・デベロップメント・スコッド(SDS)も合宿していたことから、2日目の夜は、受講生たちが7名の選手に自らインタビューする講習も設定された。事前にインタビューの仕方を学び、入念に下準備。実際のインタビューでは、それぞれの選手の経歴や現在の状況に即した質問が相次いだ。
最終日には、S&Cコーチ、トレーナーらスタッフ6名にインタビュー。受講生の中には、将来の職業としてS&Cコーチやアナリストを目指す学生もおり、どんな学部に進むか、どんな資格が必要かなど、第一線で活躍するスタッフから実際の経験談を聞く、またとない機会となった。
REPは12月まで今後も月1回、様々なラグビーに関わる講師を招いて講義が続けられる。