昨年度、早大1年生のルーキーイヤーながら関東大学対抗戦Aグループでトライ王の個人タイトルを獲得した田中健想が、8月17日の練習試合・帝京大戦に右WTBで先発出場した。
昨年度の全国大学選手権ファイナリストである両チームの、菅平でのトレーニングマッチ。前半はスコアが均衡するも、後半に連続トライで突き放した帝京大が35-17で勝利した。
田中は後半36分までプレー。トライは奪えずもディフェンスでは対面を確実に止めるタックルに入り、前方にスペースがあるとキックでテリトリーを稼ぐなど、アウトサイドBKとしての役割を全うするパフォーマンスを見せた。
試合結果については「ダブルスコアで、倍以上の得点を取られてしまったことは、素直に反省」と受け止めた一方、チームとして未成熟な現状ながらも守備面での手応えを語り「戦えてはいたのかなと思います」と悲観せずに率直な感想を述べていた。
早大が「チーム野中」としての組織力を構築している中、田中個人もプレーヤーとしての成長の機会に恵まれた。学年が2年生に上がった4月、U23日本代表に選出されオーストラリア遠征に参加、現地で全3試合にフル出場した。初戦のオーストラリアンバーバリアンズ戦(4月5日⚪︎43-31)ではトライを記録するなど、充実のツアーだった。
チーム内では同世代の国内トッププレーヤーたちのレベルの高さを感じながら、対戦相手のオーストラリアの選手たちのマインドセットに刺激を受けたという。
「ユースチームに入っている選手たちは同じ世代だけどプロとしての自覚があって、彼らのラグビーに取り組む姿勢というか『人生賭けてるな』というのをすごく感じました」
「グローバルなラグビーをしっかり学べたことは、次の成長につながる」と有意義な体験談を語ってくれた。
この時チームメイトだった1学年上のFB竹之下仁吾(明大3年)は6月に日本代表に初選出された。
「身近な人が桜のジャージーを着て最前線で戦っている姿を見ると刺激になります。自分も早稲田の中でベストを尽くして、できることを100%していけば、自分にもチャンスが回ってくると思っています」
様々なシーンで受けた感覚や刺激を、早大での成長につなげたい。2年生になり精神的な余裕ができた。この環境下でさらに飛躍を遂げるシーズンにしたい。来る関東大学対抗戦、そして全国大学選手権に向けて「個人としては昨年度の実績を越えるのはもちろんですが、怪我せずに全試合出場して、最後はチームの『荒ぶる』に貢献したいです」。