8月15日、パシフィックネーションズカップ(PNC)を控える日本代表合宿(東京)の初日のトレーニングが報道陣に公開された。
今回の合宿は、まずFW(東京)とBK(宮崎)に別れ、17日に宮崎で全体が合流する。東京都府中市のグラウンドでおこなわれたFWのトレーニングは、暑さのピークが過ぎた夕方にスタート。ダッシュなどのウォーミングアップから始まり、ブレイクダウンを想定し伏せた状態から素早く立ち上がり前・後のアタックに対応するディフェンスなどのメニューが進んだ。
グリッド内の5対5は守備側がコンタクトバッグを持ち高い強度で体を当て、スクラムは1対1の押し合いから8対8の確認までをおこなった。ラインアウトでは攻撃陣が、ジャンパーを支えるリフターがキャッチからの着地とほぼ同時に守備陣にヒットする動きに取り組んでいた。
伊藤鐘史アシスタントコーチによると、「パンチ」というラインアウトモールのアタックでモメンタムを作るための「仕掛け」で、「モールで最初のところでちょっとでも前に出てくると一気に勢いが生まれる。ランディングした瞬間を狙いたい」。
7月のウエールズ代表戦の課題・反省を生かしてPNC優勝を目指すジャパンに、6月28日のJAPAN XV対マオリ・オールブラックス戦後に離脱したFL下川甲嗣が帰ってきた。足を負傷したが、「怪我する前よりもいい状態で臨めるように」トレーニングを重ねていた。
「怪我があって呼ばれるかわからなかったですが、また選んでもらえたのは期待してもらっているということなので。成長しながら自分の良さを出していきたいです」と現状を前向きにとらえる。
平均年齢26.1歳のスコッドの中で26歳の下川はまさに「中堅」だ。代表初招集を受けた頃は「自分のことで精一杯」だったが、「このチームにいる以上は、チームが良い結果を残すことが大切なこと」と考えるようになり、思考の範囲が広がった。JAPAN XVでもキャプテンを任されるなど、今のジャパンにおいてもリーダーシップを発揮することが期待されるプレーヤーの一人だ。
昨年と同じフォーマットで開催されるPNCで、プールBの日本はカナダ(8月30日・仙台)、アメリカ(現地9月6日・サクラメント)と対戦する。順調に進んで首位通過すると、プールA・2位との準決勝(現地9月14日・デンバー)、決勝(現地9月20日・ソルトレイクシティ)というスケジュールになる。