ラグビーリパブリック

2トライの植田和磨[JAPAN XV/WTB]がつかんだ手応え。フィジカルは「負けてない」

2025.06.29

前半10分、ファーストトライを奪った植田和磨(撮影:イワモトアキト)

 6月28日の「リポビタンDチャレンジカップ2025」マオリ・オールブラックス戦にJAPAN XVの左WTBとして出場した植田和磨[コベルコ神戸スティーラーズ]が、この試合で2トライをマークする結果を残した。

 近大4回生で副将を務めた2024年、セブンズ日本代表の唯一の大学生プレーヤーとしてパリ五輪に出場。2025年はアーリーエントリーで神戸Sに加入し、レギュラーシーズン4試合で1トライを記録。プレーオフトーナメントでも3試合に出場し、チーム内で着実な信頼を得ている。

 6月12日に発表された「日本代表宮崎合宿」に招集され、初めて15人制日本代表の代表活動に参加。準代表「JAPAN XV」として臨んだ28日のマオリ戦で、初のインターナショナルマッチへの出場を果たした。

 前半9分、アタックを仕掛けるマオリがボールをロストすると、NO8青木恵斗が反応してターンオーバー。素早く左に展開し、トライラインまで約30mの地点でCTBシオサイア・フィフィタから植田がボールを受けると、相手2人をかわして左中間に飛び込みファーストトライを奪った。

 10-10の同点で迎えた32分、敵陣深い位置で右サイドのラインアウトから中央にポイントを作ると、左サイドへの展開で大外でボールを受けた植田がトライラインを越えて2本目のトライをマークした。

 JAPAN XVが後半に大量得点を許し28点ビハインドとなった38分、マオリの裏へのキックに植田が反応しトライを防いだ。結局このキャリーバックからトライを失い、JAPAN XVは20-53で大敗を喫したが、植田は80分間フル出場し印象的なプレーで自身の力をアピールした。

 試合後に「いい感触でした」と回想した2本のトライについて「WTBとして『取り切る』ことは一つの目標なので、自分の持ち味として『決定力』を見せられて良かった」と語った。

 自身初のナショナルチームの試合であったが「怯まず、自分のやるべきことを思いっきりやろう」と臨んだマオリ・オールブラックス戦。スーパーラグビー・パシフィックでプレーする相手と体をぶつけた感触は「強かったですけど、自分が負けているなとは思いませんでした」。

 武器のスピードに関しても「トライの時もスピードで振り切った感じではないですが、相手がアタックで抜けてきて、追いついたので、自分のスピードは通用すると感じました」と手応えを口にした。

 チームの結果同様に課題も感じた。大外からチームを俯瞰するWTBは、守備で味方とコミュニケーションを取り適切なポジションを配置する役割を担うが、「ディフェンスのところで固まってしまって広がれずに」相手の突破を許した。「自分が広がらせてあげられなかったという反省はあります」。

「夢の舞台」の日本代表で活躍するため、自分の「持ち味」を示すため、もっと「ボール」を求めたい。「チャンスがなかったらオープンサイドに回ったり、いかに自分が走って運動量を増やせるか」がカギとなる。自分の足で稼いだチャンスをつかみたい。

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