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【関東大学春季大会】早稲田大が帝京大に36-35の僅差で勝利。ディフェンスで粘り勝機つかむ

2025.06.23

突破を図る早稲田SO服部亮太(撮影:編集部)

 昨年度の全国大会決勝で相まみえた帝京大と早稲田大が、新年度初めて対戦。両者一歩も譲らない拮抗した戦いを早稲田が36-35の1点差で制した。

 6月22日、関東大学春季大会Aグループの最終戦となった両者の対決は、早稲田大学上井草グラウンドで、早稲田がホームに帝京を迎えておこなわれた。

 気温35度を超える暑さと強風のなか14時にキックオフ。早稲田が開始5分に先制する。敵陣に攻め込んだところで帝京がペナルティを犯すとPGを選択、SO服部亮太が決めて3-0とした。

 この後12分に、早稲田が敵陣深く攻め込んだラックサイドをNO8城央祐が突きトライを決めると、帝京もキックレシーブから着実にボールをつなげて22分、25分に連続トライで14-10として逆転。対する早稲田も前半残り10分を切ったところで、トライライン際でFWが粘り強くアタック、HO清水健伸がインゴールに飛び込み、36分に17-14と再逆転する。

前半35分に早稲田はトライライン際でFWが粘りのアタック、HO清水健伸がトライをきめた(撮影:編集部)

 拮抗した状態から突き放しにかかったのは帝京だ。終始一貫してブレイクダウンで激しく働きかけ、素早いボールの反応を見せるFW陣のパワーが炸裂。前半終了間際にFLアントニオ・フィシプナが逆転トライ、続けて、清水栞太と森山飛翔の両PR陣がキャリーとパスでつなぎフィニッシュ。後半開始早々にもこのPRホットラインでつないでトライを重ねる。後半3分には帝京が35-17と大きくリードを伸ばした。

 だが、ここから早稲田が粘り強かった。18点差をつけられた直後の後半7分、ハーフウェーライン付近でハイパンのボールがバウンドして転がったところをFB植木太一がキックで前に進めてそのままインゴールで押さえる。まず1本を返して13点差とすると、ここから20分間あまりをディフェンスで粘り、帝京の攻撃機を潰していった。

 早稲田は後半24分にCTB野中健吾主将、SO田中大斗がイン。28分には入れ替えで入ったばかりのLO萩原武大が相手ラインボールのこぼれ球に素早く反応して、敵陣でのマイボールラインアウトを獲得。そこから得たボールをBK陣がきれいに回してインゴールへ。コンバージョンキックも決まり29-35とした。

 1トライ1ゴール差に迫った早稲田は、帝京のゴールラインドロップアウトでややつまり気味に上がったボールをHO清水がキャッチしてポイントをつくると、SH糸瀬真周が密集のサイドを突いてインゴール中央へと走り込みトライ。コンバージョンも決まり36-35と逆転した。

 この時点で残り約6分。帝京も攻撃の手を緩めず、FWで縦をつきながらじわじわと前進。ブレイクのチャンスを伺うも、早稲田も着実にタックルで仕留めてゲインラインを切らせない。最後は帝京が痛恨のノックオン。ノーサイドとなった。

 帝京大はこの試合で一敗したものの、4勝して勝ち点26と明治大を1点上回り、春季大会Aグループでの優勝、5連覇を決めた。対戦相手に関わらず、常に高い集中力で試合に臨み、ブレイクダウンでの素早い仕掛け、ルーズボールへの反応、激しいタックルが光った。相馬朋和監督は「一貫性を持ってプレーをすること、連続的にプレーを繰り返していくことに関しては成長することができました」と、選手たちの春の戦いぶりを称えた。

 早稲田大は前節で明治大に7トライを奪われ45-12で敗戦。この試合に向けて2週間、立て直しを図った。大田尾竜彦監督は「選手一人ひとりがメンタル的な部分を含めて非常にふわっとした部分があった。それでいいのか、という話をして練習に取り組んだ。しっかりとプライドを見せてくれたかなと思います」と手応えを口にした。

 ケガのため東洋大戦以来、約1か月半ぶりにリザーブから出場したCTB野中健吾主将は「自分たちに何が足りないのかもう一度見つめ直して、一つひとつのサインプレー、ブレイクダウン、タックルと、それぞれ自分たちの仕事をまっとうしようと練習に取り組みました」と敗戦後の2週間について振り返った。
 「これがいいきっかけとなって、これからどれだけ成長できるかが大事。リザーブメンバーも含めて一人も欠けることなく、チーム全員が一つになって同じ方向を向いていけることを意識していきたい」と来たる夏に向けて目を向けていた。

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