創設4季目の2024-25シーズンが終わったNTTジャパンラグビーリーグワン。トップカテゴリーのディビジョン1では開幕から接戦が続き、時に戦前の予想を覆す筋書きのないドラマが展開されてきた。改めて各試合のスコアを振り返ると、今季のリーグワン全体の流れが見えてきた。
今季からレギュレーションが変わり、レギュラーシーズンの試合数は創設初年度から3季に渡る「第1フェーズ」の1チーム16試合から18試合に増えた。プレーオフトーナメント進出チーム数も4から6に増えたことで、中位チームも終盤まで熾烈な競争環境に身を置くことになり、リーグ全体の緊張感も高まった。
レギュラーシーズンの上位4傑は、首位・BL東京が15勝、2位・埼玉WK以下3チームは14勝を挙げ、激しい争いを繰り広げた。また、これまでとの試合数の違いはあるが、最下位チーム(浦安D-Rocks)の勝利数「3」は歴代で最も高く、トップとボトムの差も縮まっているといえよう。
全18節・108試合の点差の平均「15.9」はこれまでの4季の中で最も低く、史上最も拮抗した試合展開が繰り広げられていたことの裏付けとなった。今季最大の点差がついた試合は、12月29日の第2節・BL東京61-8相模原DBの53点差で、過去3季の最大マージンの試合と比較した中で最小だ。
レギュラーシーズンを試合のないバイウィークで区切り4つのブロックに分けると、1〜5節の第1ブロックが13.3点差で最も低く、シーズンが進むにつれて徐々に点差が広がり、大味な試合が増えていったことがわかる。
敗戦チームにもボーナスポイントが与えられる「7点差以内」の発生数も、反比例するように段々と減っていく右肩下がりの傾向がみられた。なお今季の発生割合31.5%より、2023-24シーズンの33.3%の方が高かった。
昨季は今季とは逆に、シーズンが進むにつれて接戦が増える(点差が小さくなる)傾向にあったことが実績から読み取れる。今季との違いを生んだ要因は様々に考えられるが、シーズンの長期化による疲労の蓄積が下位チームの競争力を奪っていったことが理由の一つだろう。
競技レベルが高まり、より一層タフなコンペティションとなったリーグワン。各試合で選手が負うダメージも大きくなっていることから、継続的なパフォーマンスを発揮するための持久力やリカバリー、そして選手層の重要性も増加している。