日本ラグビー協会は6月11日に理事会を開催、終了後に岩渕健輔専務理事がメディアブリーフィングをおこなった。
冒頭、天理大学ラグビー部員が麻薬取締法違反の疑いで逮捕された件について言及し、報道以上の情報はないとしながら「日本協会としてインテグリティ(品位)について取り組んで参りましたが、今回の件を受けて申し訳なく思っておりますし、この活動自体を今まで以上にやっていかなければならないと思っています」と陳謝した。
続いて協会の2024年度決算の概要について報告があり、収入80.7億円、支出80.5億円で、1,700万円の黒字であることが発表された。収入は予算から約10億円の減収でありながら、テストマッチ開催増が主な要因となり過去最大となった。
また岩渕氏は自身が副会長を務める統括団体アジアラグビー(AR)から停職処分を受け、その後ワールドラグビー(WR)が岩渕氏の「違反の示唆はない」との調査結果を発表した件の進捗を報告した。
6月5日付でWRからAR所属協会に対して、ARのガバナンス不全に関する懸念とその対策に関する文書が発送された。文書の要旨は①WRがARの運営を正常化・監視するための「監視委員会」を設置し、従来から続く各種問題の解決と正常化を急ぐこと②岩渕氏のAR副会長職資格停止処分「解除」の確認。今後、監査委員会はARの意思決定の監督、財務に関するガバナンス不全の解決、各国協会へのヒアリングをおこなう。
岩渕氏は今回の騒動がきっかけでアジアのラグビーの現状を「世界中が理解をした」と捉え、「あとは本当の意味で正常化できるようにWR、アジアの国の皆さんと協力して進めていかなければいけないと改めて思っています」と心境を語った。