体がひと回りたくましくなった。意識や自覚だってルーキーイヤーとは違う。
早稲田大学2年生の城央祐が、今年も着実に成長を続けている。
昨シーズンは1年生にしてFLのレギュラーに定着。関東大学対抗戦5試合と決勝を含む大学選手権2試合で先発を務め、躍進の一翼を担った。
今季は高校時代に慣れ親しんだNO8へとポジションを移した。「8番はFWの花形。それに恥じないプレーをできるようにがんばりたい」と意気込む。
話を聞いたのは5月11日におこなわれた関東大学春季交流大会の東海大戦(73-29)の後。去年との違いを尋ねると、「ちょっと余裕が出てきました」と笑顔を浮かべた。
「NO8に変わって、アタックでいいブレイクをできる場面が増えてきたかな、と。どんな相手にもこれを継続してできるよう、がんばっていきたい」
チームに対する責任感も増した。今季はラインアウトのコーラーに加え、ディフェンスのリーダーグループに名を連ねる。
「正直、去年は少し消極的なところがありました。役を与えることで、自覚を芽生えさせようとしてくれているのだと思います。そういう部分でも、この1年間で成長していきたい」と思いを口にする。
奮起する理由もある。今春、オーストラリア遠征をおこなったU23日本代表に多くのチームメイトが選出される中、自身の名前はメンバーリストになかった。
「メチャクチャ悔しかったです。試合にはずっと出ていた上で、呼ばれなかったわけですから。その悔しさを糧に、体を大きくして、(U23に)選ばれた他の大学のバックローには絶対に負けないという気持ちでがんばっています」
その言葉通り、体つきが変わったのは一見しただけでも明らかだ。オフ期間から厳しいウエートトレーニングで追い込み、肉体改造に取り組んだ。体重はさほど変わっていないものの、全体的に筋肉量がアップし、体脂肪は減った。スクワットの挙上重量は10キロ以上伸びた。
「去年の決勝も最終的にはFWがフィジカルで押し負けてしまったので。帝京や明治、京産などの大きいFWに負けない体を作りつつ、1試合走りきれるフィットネスをつけたいと考えています」
東海大戦では攻め込んだところで仕留めの精度を欠き、フィニッシュしきれない場面も目立ったが、「アグレッシブにいった結果ですし、まだ春なので。どんどん新しいことにチャレンジしていけたら」とポジティブに前を向く。
1週後に同じ上井草グラウンドでおこなわれた京産大との練習試合では、後半6トライを挙げて突き放し、50-14で勝利。キャプテンのCTB野中健吾やFB矢崎由高、SO服部亮太らが不在でも抜き出た決定力を披露し、今季のチームのポテンシャルを示した。
「ディフェンスでしっかり前に出てプレッシャーをかける、キックチェイスで面をそろえてプレッシャーをかけるなど、自分たちのマインドや意識で変えられることにフォーカスしてやってきました。チームとしても、個人としても、いい方向に進んでいると思います」
6月8日には明治大と対戦し、同22日の春季大会最終戦では帝京大と激突する。今シーズンの勢力図が明らかになる春の大一番。ここまでの取り組みの真価を、いい形で証明したい。