■NTTリーグワンD1プレーオフ準々決勝・5月17日@花園ラグビー場(大阪)
【S東京ベイ 20-15 東京SG】
レギュラーシーズン2位のクボタスピアーズ船橋・東京ベイが同6位の東京サントリーサンゴリアスの渾身のファイトを退けた。
前半は3-0と粘られ、後半は2度のリードを許しながらも、最後は20-15で逆転勝ちした。
スピアースは試合開始から敵陣深くで5分近く攻め続け、7分にSOバーナード・フォーリーが22メートルライン左からPGを沈める。
その後もスクラムで幾度もペナルティを誘い、ほとんどの時間を敵陣で過ごした。20分にこそサンゴリアスWTB仁熊秀斗のカウンターアタックを起点としたラインアウトモールで一度はトライラインを割られるも、TMOでオブストラクションの判定となり、3-0のスコアのまま時間が進んだ。
前半の終盤も敵陣ゴール前で攻め続けたが、ラインアウトのミスやトライライン手前での反則に泣いた。結局、3-0でハーフタイムを迎えた。
決めきれないスピアースに対し、前半は一度しか敵陣22メートル内に侵入できなかったサンゴリアスが、後半最初のスコアを奪う。
5分、ダイナミックにボールを動かし、FB松島幸太朗のグラバーキックに反応したWTBチェスリン・コルビが追いつき、右コーナーに飛び込んだ。
その直後には自陣22メートルラインのスクラムを与え、WTB根塚洸雅に左タッチライン際を走られたが(5-10)、13分にゴール前のラインアウトからサインプレーでFLサム・ケインが抜け出す。12-10と再びリードを奪った。
スコアが交互に動いた後半は、次にスピアーズがトライを挙げた。ブレイクダウンでのターンオーバーから好機を作る。24分、敵陣ゴール前に迫り、最後はLOルアン・ボタが局地戦を制した。17-12と逆転した。
以降も堅い守りから前進する。この日公式戦100キャップのFLトゥパ・フィナウのスティール、LOピーター・ラピース・ラブスカフニの刺さるタックル、NO8ファウルア・マキシ主将らのチョークタックルと立て続けにサンゴリアスのアタックを阻んだ。
その間にCTB廣瀬雄也がPGを加え、20-12とリードを広げた。
サンゴリアスは逆転を期してPGで差を縮める。33分こそ外れたが、37分に約40メートルPGをWTBコルビが決めた。15-20。しかし、直後のキックオフからしぶとく前進するも、最後は自陣10メートルライン付近でノックフォワード。スピアーズCTB立川理道がタッチに蹴り出し、試合を追えた。
スピアーズのフラン・ルディケHCは「典型的なノックアウトのラグビーでした。接戦で勝ち方はきれいではなかった思いますが、勝てたことは大きい」と語った。
敗れたサンゴリアスの小野晃征HCは「セットピースでゲームを組み立てくるチームだと分かっていた。そこで我慢できた結果、3-0で折り返せた。チームのエナジーにもなったと思います。ランとキックのバランスの割合も良く、少ないチャンスで点を取れました。来季はシーズンを通してもっと一貫性を持ったチームを作っていきたい」とコメントした。