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サンゴリアス堀越康介主将、プレーオフ初戦の「シンプルなバトル」に賭ける。

2025.05.17

(中央)サンゴリアスのキャプテン、堀越康介(撮影:イワモトアキト)

 開幕から4戦で白星なし。3月には第10節から3連敗。東京サントリーサンゴリアスは、今季のリーグワン1部でプレーオフ行きを決めるまで厳しいシーズンを過ごしてきた。

 日本代表7キャップを持つHOの堀越康介主将は、第8節からの4試合を欠場した。その間は1勝3敗。思うに任せぬ状況下、船頭役は述べた。

「サンゴリアスにとってタフなシーズン。チームが苦しい状態なのに僕がプレーできていないことはもどかしかったです。…ただ、上から(観客席で戦況を)見てわかることもあります。それをリーダーと共有しながら、過ごしていました」

 部内で共有するキーワードは「アグレッシブアタッキングラグビー」「ネバーギブアップ」。運動量と勤勉さで上回るのを是とし、旧トップリーグ時代は2017年度までに通算5度の日本一を成し遂げてきた。

 いまは時代の変化を受け入れる。他クラブのコーチングスタイルや文化が豊穣になり、以前よりも海外出身者のプレーしやすいレギュレーションのもとコンタクトの強度が高まるなか、従前のように我慢比べで勝つのが簡単ではなくなっている。

 それでも勝負にこだわる。ゲームの重要局面での集中力をはじめとした無形の凄みを維持できるよう、SHで元主将の流大ら年長者とリーダーシップを取る。

「僕たちは誰よりもハードワークするし、泥臭いところに行く。きれいなラグビーはいらない。そうすることで僕たちのアタッキングラグビーが結果としてよく見えていく」

 終盤まで日本一となる権利を保った。今シーズン、昨季までの4枠から6枠に増えたプレーオフトーナメントに6位で進出できる。

 5月3日、本拠地の味の素スタジアムでの第17節。順位が2つ下だったリコーブラックラムズ東京を43-34で破った。SHの流らのキックバトルで向こうの反則を引き出す、さながら決勝戦の戦法を貫いた。

 プレーオフ進出内定後にあたる10日には、埼玉・熊谷ラグビー場で埼玉パナソニックワイルドナイツに17-60で圧倒されている。

 そのため堀越は「マインドセットをガラッと変えた。強いイメージを持つ。(次戦は)いいチームの時の状態を、最初の10分から出していけたら」。18日、東大阪市花園ラグビー場に立つ。今年度1分1敗のクボタスピアーズ船橋・東京ベイと準々決勝へ、気を引き締める。

「クボタさんがどういうチームなのかはわかっている。セットピースでドミネートしようとしてくる。ここから大きなFWがゲイン(突破)して、得点力のBKが(スコアを)取ってくるイメージです。(対策は)言えないところもありますが、根本的なところで言えばフィジカル。後手に回るか、こっちが押し返すかのシンプルなバトルです。ファイトしていきたいです」

 身長175センチ、体重100キロの29歳。向こうの誇る大型FWへ立ち合いから鋭く迫る。

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