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リーグワン2026-27シーズンから「普及・育成」目的で「日本代表資格」カテゴリ規程変更へ。

2025.05.13

メディアブリーフィングで質疑に応えるリーグワン東海林専務理事(撮影:編集部)

 一般社団法人ジャパンラグビーリーグワンは、2026-27シーズンから選手登録区分を変更し現行のカテゴリAをA-1・A-2に再編することを決定、5月13日に発表した。

 リーグワンが設ける「選手契約および登録に関する規程」により、公式戦に出場する選手はいずれかのカテゴリで選手登録される。現行規程のカテゴリ区分は以下の通り。

A:日本代表実績あり/資格あり
B:日本代表資格獲得見込み
C:他国代表歴あり等上記以外

 チーム運営、采配にカテゴリの基準・制限があり、チーム全体の登録枠はAが80%以上・B/Cの合計で10名以下・Cは3名以下、23名の「試合エントリー枠」はAが17名以上・Cは3名以下、ピッチ上の「同時出場枠」はAが11名以上、という決まりがある。

 今回の改訂で、カテゴリAをカテゴリA-1とカテゴリA-2に区分することが決まった。要件は以下の通り。

【A-1】下記①②いずれかを満たす者
①他協会の代表歴がなく、義務教育期間9年間のうち、6年間以上を日本で居住した者
②他協会の代表歴がなく、本人が日本出生、または、両親祖父母のうち1名が日本出生である者
※国籍は要件に含まない

【A-2】
他協会の代表歴がなく、日本協会への継続登録が48か月以上である者
※日本代表キャップを30以上持つ選手は、「日本代表に多大な貢献をした選手に対する優遇措置」としてA-1に分類される

 今回のカテゴリ追加に伴い、A-1の「試合エントリー枠」が14名以上、「同時出場枠」が8名以上、求められることになった。例えば今季の試合でカテゴリAを17名登録していたチームが仮に再来季の新規程に適合する場合、A-1が14名以上、A-2が3名以下とする必要がある。

 外国出身選手が日本のチームでプレーするために移住し、48か月を経て「カテゴリA」となり登録上の制限なく(登録枠のメリットや余剰を生んで)試合に出場する例がこれまで見られたが、こうした選手がA-2に分類されることで一定の制限を受けることになる。

 5月13日に開かれたメディアブリーフィングでリーグワンの東海林一専務理事は、規程変更の意義・目的について「普及・育成の観点で、小中学生の方々が、A-1の選手が増えることによって、より強いラグビーに対するモチベーションを持っていただけることを期待」した制度であると説明。リリースの文面にも「日本国内の小中学校年代を含む若年層の競技者が、より一層リーグワンでのプレーを具体的な目標として捉え、競技への参加意欲を高め、国内の競技人口増加、そして日本ラグビー全体の普及と発展に寄与することを目指します」と記載している。

 東海林専務理事からは今回の規程変更の過程についても説明がなされた。複数のチームから制度変更の必要性を求める声が上がり、リーグワン事務局が各チームの代表者で構成される実行委員会の場でチームに提示、分科会での協議を重ねた上で確定した規程であり、制度の導入は「全チームの総意」であるとした。一方で旧規程の存在がラグビーの普及・育成の障害になっていたという明確なエビデンスはないという。

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