4月25日から再開されるリーグワンD1のレギュラーシーズンは残り3試合となった。昇格1年目の浦安D-Rocksは、2勝13敗で最下位に沈む。
10点差前後のタイトなゲームを演じながら、勝ち切れない日々が続いている。
バイウィーク前の4月12日、コベルコ神戸スティーラーズ戦(第15節)もそうだった。
後半34分に20-33の最終スコアを刻まれるまで、20-26と6点差の僅差を追っていた。
キャプテンでSHの飯沼蓮は、12-7とリードで迎えた後半の立ち上がりを悔やむ。
4分、8分と簡単にスコアを許し、その後も反則の繰り返しからシンビンで数的不利の時間帯を作っていた。
「80分見た時に必ずどこかの10分間、20分間でソフトな時間、相手にチャンスを与えてしまう時間があります。それをゼロにしたいです」
ただ、チームの成長は感じている。
「ポジティブに捉えれば、これまではああいう展開からズルズル崩れてしまっていたけど、ここ最近は立て直せています。どんな相手でもタイトな試合を毎回できるようになっている。ただ、勝ちまでは繋がっていない…」
飯沼の言う「ソフトな時間」は試合を重ねるごとに減っている。キャプテンは常々、仲間にこう声をかけていた。
「これまではトライされると、全員がそれに影響されて弱気になってしまうのですが、いまはそこで課題に気づき、一人ひとりがそれぞれの役割を100パーセントやることにフォーカスできてきた。過去のことは切り捨ててようと」
「ソフトな時間」をゼロにするには、勝ち切る経験、成功体験も必要と説く。
「やはり強いチーム、今日でいえば神戸さんは、前半ああいう展開で折り返しても、いつも通りのプレーを後半にできれば絶対に自分たちに流れが来るという強者のマインドセットを持っていると思う。自分たちにも成功体験を重ねられれば、例えば後半の20分は自分たちの強みということが文化としてしっかり根付いて、もう1個ギアを上げて勝ち切れるチームになってくるはず。だからいまは、良い経験をしながら、苦しみながら、もがいてる感じです」
自身も今季は苦しんだシーズンだった。序盤戦にはリザーブに回る試合を複数経験。グレイグ・レイドローHCからの提案を受け、第9節以降はゲームキャプテンをHO藤村琉士やPR金廉らに託している。
「(前半戦は)考え過ぎてしまって、自分のプレーどころではなかったです。もちろんチームのことも大切ですが、いまは自分のプレーにフォーカスできている。勝てていないというチームの現状はありますけど、目の前のラグビーはすごく楽しくプレーできています。良い発想、直感のプレーができて、それが良いパフォーマンスにも繋がっています」
第16節から東芝ブレイブルーパス東京、静岡ブルーレヴズ、三菱重工相模原ダイナボアーズと厳しい戦いは続くが、きっかけ一つでチームは大きく変わる予感がある。