ラグビーリパブリック

ニュージーランドで手応え。JTSでも溌溂。宮下晃毅が法大ラストイヤーへ。

2025.04.20

ブレイクダウンに入る宮下晃毅©︎JRFU

 何でも思い通りになるわけではないと知った。

 一昨季のラグビー20歳以下日本代表にFW第3列として入った宮下晃毅は、法大2年目のシーズンを終えるとニュージーランドに渡った。

 知人に紹介された留学制度で、現地ウェリントン・ライオンズのアカデミーに参加。ジョンソンビルという地元クラブで実戦経験も積んだ。関西弁で述懐する。

「ラグビー漬け。最高やったっす!」

 向こうでは、このままニュージーランドに残ったらライオンズのスコッドに入れるかもしれないと言われた。その気になった。法大のオフが明けてからも、ずっと滞在できないものかと考えた。

 そうはいかなかった。もともと兵庫の報徳学園高から、スポーツ推薦で法大に入っている身だ。新宮孝之監督から反対されたのは自然だった。

 進歩の途上にある若者だ。ハイレベルな挑戦を反対されたことに首を傾げ、退部や大学中退を検討してしまう日もあった。

 思いとどまったのは、仲間の気持ちに触れたからだ。同級生が自分を翻意させるためにミーティングまで開いていたと、後になって気づいた。

 胸が熱くなった。4年目の冬まで、オレンジと青のジャージィで奮闘すると決めた。

 3年生だった昨季は、加盟する関東大学リーグ戦1部で8チーム中4位だった。

 ラストイヤーにあたる新シーズンに先立ち、ジャパンタレントスコッドに名を連ねた。次世代の日本代表を育成するプログラムだ。

 3月上旬に都内であったトレーニングの場では、新たな刺激について嬉々として語った。「戦い」と呼ばれる早朝のぶつかり合いの練習などで、タフさを磨いたようだ。最近では、好きなラーメンも制限していると笑った。

「ハードな練習を、人よりやる」

 JTSの流れで23歳以下(U23)日本代表に選ばれると、4月2日以降はオーストラリア遠征へ帯同した。3戦中2度の出場機会を得た。

 U23日本代表のツアーは16日に終了。最終学年の季節がいよいよ始まる。

「リーグ戦で優勝を狙える。最初から、いいチームを作りたい」

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