2024年11月に国際統括団体「ワールドラグビー(WR)」の会長に選出されたブレット・ロビンソン新会長とアダム・ギルピンCEOが来日し、2月3日に東京都内で記者会見をおこなった。
オーストラリア代表16キャップのロビンソン氏は、南半球出身者で初めてワールドラグビー会長の要職に就いた人物だ。会長となって初の訪問国が日本であり、会長選挙においては日本ラグビー協会から「多大なる支援をいただいた」と明かした。
現在は会長選で掲げたコミットメントの通り、3〜6か月をかけて各国のユニオン(協会)と話し合い、WRの戦略について考えている最中だという。グローバルな成長をテーマとするWRにとって、アジア唯一のW杯開催国である「日本の皆さんの役割は極めて重要」であると語った。
2019年のW杯日本大会を含め、過去6回の男子W杯に関わってきたギルピンCEOは日本協会と将来のW杯開催に向けて具体的な時期の目標を持った上で協議を進めたことに触れ、「このプロジェクトは雄大で、非常にやりがいがあるものです。時間をかけてしっかり話し合って、方向性を決めていきます」と姿勢を示した。
記者会見の冒頭で日本協会の土田雅人会長は、2035年の男子、2037年の女子W杯日本開催を目指すと宣言し、「そのためにも日本ラグビー協会の財政安定はもちろん、組織強化が大変重要です」と語っている。
現在のW杯開催国決定プロセスは従来の入札方式から、WRが候補協会の計画を確認し、WRの財政・普及に関わる長期計画に合致するかを見極めて選任する形に転換した。ギルピンCEOは、現在未定の2035・2039年男子W杯の候補は日本の他にスペイン、イタリア、イギリス+アイルランドの名を挙げ、他にも興味を示している協会があると明かした。
またロビンソン会長は2026年開催予定の新大会「ネーションズチャンピオンシップ」について言及した。12か国ずつの2ディビジョン制となる大会で、2030年の第2回大会から昇降格が発生する。
ディビジョン1は、シックスネーションズ(イングランド、スコットランド、ウエールズ、アイルランド、フランス、イタリア)とSANZAAR(南アフリカ、ニュージーランド、アルゼンチン、オーストラリア)、そして日本、フィジーの対戦についての交渉がおこなわれているとし、「私たちもその交渉を助ける形になっています」と明かした。
ディビジョン2の12チームはRWC2027に出場する上記以外のチームとなるようで、RWC2027の全参加チームが決まるのと同じ時期の2025年末には参加チームが決まるとした。