この国のラグビー界の顔のひとりだろう。
女子15人制日本代表の齊藤聖奈は、今年8月のワールドカップイングランド大会に向けた日本代表スコッドに名を連ねる。
5月に33歳。今度の大舞台で正規メンバーとなれば、2017年、’22年に続く3度目の出場を叶えることとなる。
FWの複数ポジションをこなす。いまはおもに第3列に入り、持ち前の激しさと得点感覚を活かす。
「…難しいですねぇ」
こう笑ったのは1月19日。所属するPEARLSの先発NO8として、全国女子選手権に出場していた。自身のトライなどでYOKOHAMA TKMを34-24で下した直後、ワールドカップイヤーに臨む国内大会での思いを聞かれた。こう言葉を選んだ。
「ワールドカップは皆が目指す場所。ひとりひとり切磋琢磨して、いいレベルで女子ラグビーの大会をできているのかなと思います。(個人的には)ミスを少なく、コンスタントにいいパフォーマンスができるよう、頑張ります」
まずは目の前の戦いに集中する。地域と繋がるクラブの代表格として、2月2日、東京・秩父宮ラグビー場で選手権決勝へ挑む。
対する東京山九フェニックスには、前年度のファイナルで24-40と惜敗している。リベンジへ意気込む。
「チームが苦しい時にしっかりリードできるように、いいコンディションで決勝に向かいたいです。去年、惨敗して、皆、悔しい思いを持っている。気持ちを高め合いながら、いい準備をします」
ちなみにこの大会のセミファイナルは、2試合とも男子の国内リーグワン1部・第5節との同時開催となった。
PEARLSは、三重ホンダヒート対東京サントリーサンゴリアスの後にプレーした。齊藤は「女子ラグビーを見てから帰ろうかなとか、意外と女子やるやんとか…。そんな風に、ちょっとでも興味を持ってもらえたらと思えた。ダブルヘッダーは、ありがたいです」と声を弾ませた。