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【全国大学選手権】鈴鹿開催の天理×明治は明治に軍配。京産は大東に大勝で4年連続準決勝進出。関西、関東リーグ戦の王者が姿消す。

2024.12.22

ジャッカルにボールキャリーと攻守に光った京産大LOソロモネ・フナキ(撮影:平本芳臣)

■全国大学選手権準々決勝・12月22日@三重交通Gスポーツの杜鈴鹿(三重)
【京産大 59-12 大東大】

 第1試合は京産大が関東リーグ戦王者・大東大を圧倒した。一方的にスコアを重ね、前半だけで6トライを奪取。後半も3トライを挙げ、失点を終盤の2トライに抑えた。

「赤紺」はキックオフからエンジン全開。久しぶりに戦線復帰を果たしたWTB西浩斗が、相手の落球を誘う強烈タックルで火をつけた。

 先制トライは前半10分だ。タッチラインを割らなかった相手のミスキックを起点にWTB西とFL平野龍で左タッチライン際を攻略、ラストパスを受けたLO石橋チューカがインゴールに入った。

 自陣からアグレッシブに攻めた13分には、再び左サイドをCTBナブラギ・エロニとWTB西で崩す(エロニのトライ)。

 その後はキックオフ直後にミスを重ねて自陣深くでのディフェンス機会が多くなったが、LOソロモネ・フナキらが接点で優位に立ち、その度に跳ね返した。

 20分にはモール、25分には攻守逆転からの切り返しから連続トライ。SH土永旭のキックも冴え、30分、35分とさらにスコアを追加して40-0でハーフタイムを迎えた。

 後半になっても京産大の優勢は変わらず、14分までに3連続トライで59-0までリードを広げる。

 大東大がようやくスコアボードを動かしたのは20分過ぎだ。
 キックチャージを起点に敵陣に入ると、ランにキックと大奮闘のCTBハニテリ・ヴァイレアが中央突破、ゴール前での攻防をFWが制し、待望の得点が生まれた。

 その5分後にはWTB神田永遠が左タッチライン際を走り抜けて追加点を挙げる。以降も粘り強く攻め続けたが、反撃はここまで。59-12のスコアでノーサイドの笛が鳴った。

 京産大の共同主将、FB辻野隼大は停滞した終盤を課題に挙げながらも、「外にスペースあると分析で分かっていた。前半はその分析通りに進んで積極的にボールを運ぶことができていた」と勝因を語った。
 これで京産大は4年連続の準決勝進出。国立での対戦相手は早大に決まった。昨季は65-28と大勝した相手だが、辻野共同主将は「まったくの別のチーム」と警戒する。その上で、「自信を持ってラグビーできれば結果はついてくる。(ベスト4の)壁を越えます」と宣言した。

 3年ぶりの選手権出場も初戦(準々決勝)敗退に終わった大東大のFL蓑洞功志主将は、「京産大には留学生に限らず強いキャリーがいるので、2人で仕留めるプランだったが差し込まれてしまった」と振り返り、「来年はこの悔しさをバネにやってくれると信じています」と後輩に思いを託した。

<次戦日程>
・1月2日(木)京産大vs早大@国立

モスグリーン軍団を3年ぶりに全国舞台に連れてきた大東大FL蓑洞功志主将(撮影:平本芳臣)
アグレッシブに仕掛ける途中出場の明大SH登根大斗(撮影:平本芳臣)

■全国大学選手権準々決勝・12月22日@三重交通Gスポーツの杜鈴鹿(三重)
【明大 24-21 天理大】

 鈴鹿に駆けつけてメイジコールを響かせた明大ファンは、天理大の底力に肝っ玉を冷やしたことだろう。

 天理大の猛攻は後半28分。0-24から始まった。
 SO上ノ坊駿介が自陣ゴール前から仕掛ける。チップキックを自ら抑え、そのまま敵陣深くまで侵入した。
 まもなくLOアリスター・サウララが右コーナーでグラウンディング。FB筒口允之主将が難しい角度のコンバージョンも沈めた。

 その5分後にはWTBナイバルワガ トマシのパワフルなランを起点に、SO上ノ坊がHO寺西翔生にロングパスを通す。最後はLO岡崎慶喜が左中間に押し込んだ。

 14-24と差を縮めてからも攻め手を緩めず、オフロードパスを連続で繋いでSH藤原健之朗が抜け出す。しかし、ゴールラインを越えたのは42分。最終スコア21-24でノーサイドの笛が鳴った。

 天理大の小松節夫監督は「久しぶりに準々決勝に来て、そこで戦う経験値が不足していた」と振り返る。終盤に追い上げるまではほとんどの時間、明大ペースで試合が展開された。

 明大はスクラムで優位に立ち、相手ボールのラインアウトで幾度もスチールするなどセットプレーを制圧。天理大がハンドリングエラーを重ねている間に、スコアボードを動かした。

 先制トライは前半20分。SO伊藤龍之介がキックでエリアを進め、22メートルライン付近正面でペナルティを得る。PGを狙わずにタッチを選択、強気な姿勢のままモールを押し込んだ。

 その6分後にはモール脇をHO金勇哲が突き、PR檜山蒼介がゴールラインを越える。
 10-0で迎えた後半には14分に再びモール、20分にはゴール前での局地戦をFWが制す。総じてFWが力を示した。

 明大の神鳥裕之監督は「天理大はどれだけ点差が離れても切れないチームだと試合前に話していたが、本当にその通りのパフォーマンスを見せられた。また成長させてもらえるゲームだった」と語った。

「このチームは一つひとつ下から昇って試合ごとに成長していこうという目標を持っています。今日も天理大にまたいろいろな学びをいただいた。帝京戦に向けてまた成長したい」と次戦へ意気込んだ。

<次戦日程>
・1月2日(木)明大vs帝京大@国立

脅威の追い上げを見せた天理大。写真はPR岡田大和(撮影:平本芳臣)
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