ラグビーリパブリック

5季ぶり古巣ヒート復帰のレメキ ロマノ ラヴァ 「練習は結構、激しくて、楽しい」

2024.12.17

UTBレメキ ロマノ ラヴァ(撮影:向 風見也)

 正直で前向きなラグビーマン、レメキ ロマノ ラヴァが鈴鹿に帰ってきた。

 三重ホンダヒートに加わった。旧トップリーグ時代の2019年度(’20年)以来の復帰となる。

 環境の変化は「(普段の交通ルートに)バイパスができた」くらいで、「昔、一緒にやっていた選手がスタッフになっていて、知り合いがめっちゃ多い」。故郷へ戻った感覚がある。

 35歳。4人の子どもを持つ父親とあり、新居は一軒家がマストだ。

「アパートだと文句言われる。家の中でレスリングやラグビーをやっているから」

 今回も、以前と異なる戸建てに入居。ちなみに当時の住まいは、同僚で現役南アフリカ代表のフランコ・モスタートが使っているという。

 クラブが2026年度の栃木移転を目指しているとあり、レメキは笑った。

「引っ越してきて、段ボールは半分しか開けてない。それ以外は(開封せずに)置いてある。2年後まで」

 ‘22年発足のリーグワンでヒートは2部スタート。昨季は1部昇格初年度であり、親会社の支えによる改革元年と言えた。

「3年以内に日本一」という号令のもと、元イタリア代表ヘッドコーチのキアラン・クローリーを新指揮官に招聘。以後、段階的に専門コーチを招く。

 直近の戦いを12チーム中11位、入替戦残留で終えると、6月には21名の退団、国内外からの計14名の補強を相次いで発表した。

 クローリーは説く。

「選手を入れることでパフォーマンスは上がる。マーケットから目を離さず、常にどういう選手がいるのかに着目しています」

 前田芳人ゼネラルマネージャーも続ける。

「我々マネージメントがいいと思った選手に関しては全てをキアランに相談します。またキアランも世界中のプレーヤーの情報を多く持っています。その中で、チームに本当に必要な選手は誰か、この選手が入ることによってどう変わるのかについてコミュニケーション取りながら獲得しています」

 その流れで加入したひとりが、レメキだった。

 身長178センチ、体重95キロ。走りや衝突の強靭さ、向こうの急所を突く判断を長所に、BKで複数のポジションを担う。

 ニュージーランドのオークランド生まれで、トンガにルーツを持つ。‘09年に初来日。現横浜キヤノンイーグルス、現マツダスカイアクティブズ広島を経て’14年に入ったヒートで6シーズン、プレーした。

 その後は福岡の宗像サニックスブルーズへ渡り、’21年には同部の解散に伴いNECグリーンロケッツ東葛とサイン。過去に本人が語ったところによれば、妻が関東のチームを希望していたようだ。グリーンロケッツには3季在籍し、主将も担った。

 このほど古巣に戻った背景を、こう語る。

「(移籍交渉の際)色々なチームの話が来ていて、最初は関東に残ろうと思った。でも、最後にホンダから(オファーがあった)。どうしようかと思ったけど、前にもプレーしたことがあるし、(子どもの)学校の友達もたくさんいるから、そのほうがいい…って」

 7、15人制というふたつの日本代表で、五輪およびワールドカップに計3度出場。特に’19年のワールドカップ日本大会では、史上初の8強入りを果たした。

 いまは国内リーグに専念するつもりだ。

「ホンダでプレーオフに行きたいな。ワールドカップがオリンピックは経験できたけど、リーグワンで優勝したことないので次はそれを目指したいです」

 久々に訪れたヒートの環境を相変わらずだというレメキだが、フィールド上の戦力には変化を感じる。外国人枠外で起用できる海外出身者が増えたことが、普段の競争力を引き上げているという。

「A対B(実戦形式)の練習は結構、激しくて、めっちゃ楽しい! 日本人のいい選手もいるけど、外国人が多いとコンタクトが全然違う。人数が多く、(同レベル)3チームはできると思う」

 初戦は12月21日。本拠地の三重交通鈴鹿グラウンドへ前年度10位のリコーブラックラムズ東京を迎える。

 クローリー体制でプレーオフ進出(6位以上)を目指すチームにあって、「アタックは自由で、もう選手たちがやりたいことはどうぞみたいな感じ。システムより目の前にスペースにチャンスがあればそれを優先する。それに結構、フィットしている」と爆発を予感させる。

Exit mobile version