この人も「カテゴリA」か。そう思わせるひとりがローレンス・エラスマス。浦安D-Rocksにいる身長200センチ、体重123キロのラグビーマンだ。
南アフリカ出身でポジションはLO。空中戦のラインアウトのほか、力強い突破、走者を掴み上げるチョークタックルでも味方を助ける。
「カテゴリAでプレーできることは、とてもエキサイティングなことです」
国際統括団体のワールドラグビーが、ルーツ国以外での代表資格を得る条件に変更を加えた。当該国で60カ月以上続けて住まなくてはならなかったところ、それと同じ期間だけ当該国の協会もしくはラグビー団体のみに登録していれば可とした。
2020年以降のウイルス禍で祖国に戻らざるを得なかった選手などには、朗報となっただろう。このレギュレーションが影響を与えたのが、D-Rocksも加盟する日本のリーグワンだ。
リーグワンでは日本代表資格を持つ、もしくはシーズン終了後に持つこととなる選手は「カテゴリA」に区分され、外国人枠とは無関係にフィールドに立てる。
今季からはこの「カテゴリA」がワールドラグビーの方針転換に沿った形となった。これまで代表資格を認められず「カテゴリB」とされた面々も相次ぎ「カテゴリA」へ変更した。
そのひとりが、母国の強豪ライオンズで実績を積み、’17年に来日したエラスマスだった。現在31歳。ずっとプレーしてきたこの国で、ナショナルチーム入りにもチャレンジできることとなる。
「確かに、そうなりますね」と笑い、「現時点では、D-Rocksでベストを尽くしたいです」。グレイグ・レイドロー新ヘッドコーチのもと、「いい準備ができている」と実感する。
「コーチそれぞれが自分たちの(領域に)責任を持ち、積み重ね、いいチームにしている」
日本ではまず現NTTドコモレッドハリケーンズ大阪でプレーし、主将も経験した。グループ企業の方針で’22年にできたD-Rocksへ移籍している。
「南アフリカと日本では文化が違いますし、大阪と浦安でも環境は異なる。その間、新しい人たちに出会えて、新しい経験ができた。それらは自分の成長へのいい糧です。浦安は家族と生活するのに安全な場所です。一方、大阪のレストラン、ナイトライフも恋しく思います! (以下は日本語で)たこ焼き、お好み焼き、めっちゃ好きです!」
昨年末から足首、肩のコンディション調整に苦労してきたが、現所属先が2部から1部に上がった今季は万全だ。
「長いオフの間もチームスタッフとともにリハビリができ、とてもいい状態で戻ることができました」
D-Rocksの新シーズン初戦は12月22日。昨季12チーム中9位の三菱重工相模原ダイナボアーズへ、敵地の神奈川・相模原ギオンスタジアムで挑む。