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【全国大学選手権】和歌山開催は関西勢が力示す。近大、京産大がそれぞれ福工大、青山学院大に快勝。

2024.12.14

後半8分にトライを挙げた近大NO8古寺直希(撮影:早浪章弘)

寒さと雨の厳しい天候のなか、熱い戦いが繰り広げられた(撮影:早浪章弘)

■全国大学選手権3回戦・12月14日@和歌山・紀三井寺公園陸上競技場
【近大 74-12 福工大】

 関西リーグ最終節で関西学院大を破って選手権最後の一枠を掴んだ近大が、勢いそのままに福工大から大勝を掴んだ。
 2002年以来の全国8強入りを果たした。

 前半に5トライ、後半に7トライと畳みかけた。

 先制トライは4分。今季の武器であるスクラムで相手の反則を誘ってゴール前に攻め込むと、FL中村志主将が相手を引きつけ、空いたスペースにCTB嶋竜輝が走り込み、ポール下に飛び込んだ。

 その5分後には相手のハイパントから大きくボールを動かす。FL中村主将の突破を起点にボールを繋いだ。
 15分にも同じような形でチャンスを作る。相手のハイパントに対して、WTB岸未来が好キャッチ。SO西柊太郎の突破を生んだ(CTB嶋のトライ)。

 以降は大粒の雨が降り始め、寒さも相まって互いにボールが手につかない。

 福工大の反撃は19分だ。CTB時任凛空が裏へ転がすグラバーキックでエリアを進めると、その直後に近大が自陣ゴール前でノックオン。拾った時任がゴールラインを越えた。

 福工大は7-28とされた35分にも、同じような形で追加点を挙げる。
 相手の落球から速攻を仕掛け、SO山口翔永が右サイドを攻略。一度は味方がトライ直前でボールをこぼすも、直後にゴール前で攻守を逆転させ、PRハラホロ・トコラヒが押し込んだ。

 しかし、前半終了間際にCTB藤岡竜也のトライで近大が31-12と再びリードを広げると、後半はゲームを掌握する。
 雨が降ったり止んだりを繰り返した後半も依然としてハンドリングエラーは多かったが、近大は相手のミスを着実にスコアに変えた。

 8分のNO8古寺直希のトライで38-12に。以降はキックオフでのキャッチミスやキックが思うように伸びないこともあったが、その度に堅守を披露した。
 16分以降はコンスタントに6トライを加え、74-12と大差でノーサイドの笛を聞いた。

 近大の神本健司監督は「天候も悪くボールロストが多かったのですが、選手たちは意識高く臨んでくれて、差を上げることができた」と語った。
 初の全国4強入りをかけ、対抗戦優勝の早大に挑む。

 敗れた福工大は3年連続の3回戦進出も、またしても関西の壁に阻まれた。
「近畿大学さんのディフェンスをこじ開けることができませんでした」と宮浦成敏監督は肩を落とした。

<次戦日程>
・12月21日(土)近大vs早大@秩父宮

ダイナミックなランで2トライを挙げたWTB堤田京弘(撮影:早浪章弘)

■全国大学選手権3回戦・12月14日@和歌山・紀三井寺公園陸上競技場
【京産大 66-7 青山学院大】

 BKがキックでエリアを取り、留学生を中心としたFWが強いコンタクト力で相手をなぎ倒しながら前に出る。
 これぞ「京産らしさ」と呼ぶべき本来の力を発揮し、京産大が青山学院大を66-7で圧倒した。

 序盤から京産大ペースで試合は進んだ。前半7分に相手の反則を起点にゴール前まで攻め込むと、1本目からスクラムでのペナルティを奪い、最後はHO平野叶苑がポール下に押し込んだ。

 以降はSH土永旭の左足のキックが光った。常に相手を自陣に閉じ込め、アタック機会を得られればFWが前進。11分にLOソロモネ・フナキが、18分にはWTB堤田京弘がトライを挙げた。

 青山学院大は25分過ぎにようやく敵陣でボールを持てたが、それもPR曽根隆慎らにもぎ取られ、すぐに終わった。

 京産大のミスもあって中盤エリアでの攻防は続いたが、32分に均衡を破る。曽根の突破からオフロードパスを受けたNO8シオネ・ポルテレがインゴールへ。
 前半終了間際のCTBナブラギ・エロニの独走トライもあって、前半を35-0で折り返した。

 後半も京産大優勢は変わらず、スクラムや強烈なタックルで幾度もターンオーバーを誘った。

 青山学院大がこの日初めて敵陣22㍍内に入ったのは、0-42で迎えた7分。相手のアタックの反則が起点となった。
 連続攻撃からNO8内藤基がスピードに乗って防御網を突破した。

 しかし、以降は京産大が平野龍、日吉健の両FLの突き刺さるタックルで誘った落球からの速攻で、10分、16分と連続トライに挙げる。
 終盤にも2トライ奪い、10トライの大勝。京産大の廣瀬佳司監督は、「今シーズンで一番良いゲームだった」と選手たちの努力を称えた。

 敗れた青山学院大は30年ぶりの全国舞台だった。
 糊谷浩孝HCは「選手たちを誇りに思う」と感謝を口にした。

<次戦日程>
・12月22日(日)京産大vs大東大@三重交通Gスポーツの杜鈴鹿

唯一トライを挙げた青山学院大NO8内藤基(撮影:早浪章弘)
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