ラグビーリパブリック

ブレイブルーパス主将のリーチ マイケル、連覇の「難しさ」にチャレンジ。

2024.12.05

取材に応えるリーチ マイケル主将(撮影:向 風見也)

 復帰早々に渋く光った。

 ラグビーワールドカップに過去4度出場のリーチ マイケルが、11月30日、約5か月ぶりの実戦復帰を果たした。

 主将を務める東芝ブレイブルーパス東京のNO8として、お互いに府中市を東京都本拠地とする東京サントリーサンゴリアスとの練習試合に先発した。

 自軍グラウンドに飛び出すや、タックルまたタックル。相手走者をせき止める力は相変わらずに映った。本人は「いや、そんなことはないです」と謙遜しつつ、手応えを口にする。

「自分たちのフォーカスポイントはコリジョンのところ、どれだけ身体を当てられるかです。それがよくできた部分はたくさんあったので、よかったです」

 国内リーグワンのディフェンディングチャンピオンであるブレイブルーパスでは、主力候補と見られるメンバーの複数はこの日がプレシーズン初スタメンだった。

 リーチや前年度MVPのリッチー・モウンガも然りで、前半40分で交替。結局、昨季3位東京サントリーサンゴリアスに28-47で敗れたのを受け、リーダーは今後の伸びしろについてこう続けた。

「完成度はこれから高める。(自身のパフォーマンスも)これから仕上げていきます。開幕戦では、もっといい状態でできます」

 日本代表の船頭役として挑んだイタリア代表戦(7月21日/北海道・札幌ドーム)を14-42で落として以降は、怪我の治療に専念。ナショナルチームの夏、秋の活動とは距離を置き、晩秋からクラブのトレーニングに混ざった。

「(メンタルは)リフレッシュでできています。ハングリーさもある」

 副将でHOの原田衛、LOのワーナー・ディアンズら、11月まで代表活動に挑んだ同僚のことは、「多分、東芝が好き。なかには『早く試合がしたい』という人も出てきました。しっかりリフレッシュして、長いシーズンを戦えるメンタリティを作るのが大事です」と見守っている。

 リーグワン開幕節は22日、神奈川・日産スタジアムで迎える。

 その時の相手となる昨季4位の横浜キヤノンイーグルスとは、12月7日にトレーニングマッチをおこなう。場所はサンゴリアスとぶつかった自分たちの拠点だ。

「(目指すのは)昨季よりベストなシーズン。もう1回、優勝する難しさはあるので、いいメンタリティを作って、さらに進化していきたいです。十分にパワーもフィットネスがある。あとは、メンタリティ。ひとりひとりの行動、練習態度、試合の入り、進め方を見ながら、調整していきたいです。チームとしては、いい方向に進んでいます。きょう(サンゴリアス戦)も負けてしまったけど、やりたかったことは見えたので」

 それにしても、学生時代から国際舞台に身を投じる36歳にとって、かくもシーズン前の準備のために腰を落ち着けたのは久々のことだ。

 その時期の収穫について問われると、「子どもと一緒にいる時間があって、成長が見られて、よかったです」。小学5年の長女には、希望する中学受験のために個別指導のサービスを与えている。

「受験勉強…。やっているかなぁ…。11歳から18歳までは大切な時期。お父さんの存在が、大事です」

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