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【関東大学対抗戦】早稲田、100回目の早明戦を27-24で制す。17季ぶりの全勝V。

2024.12.01

後半20分にトライを挙げたFB矢崎由高。この日も絶大な存在感を示した(撮影:長岡洋幸)



 関東大学対抗戦は12月1日に全日程を終了。ここまで6戦全勝の早稲田大が、国立競技場でおこなわれた明治大戦に27-24で勝利し、2018年度以来6年ぶりの優勝(全勝優勝は2007年度以来17年ぶり)を飾った。

 通算100回の節目を迎え、4万超の観客が詰めかけた今年の早明戦。対抗戦の優勝がかかる大一番ということもあって、立ち上がりから両校の気迫がぶつかり合う熱戦となった。

 先に好機をつかんだのはここまで5勝1敗の明治だ。優勝するためには大勝が必要だっただけに、中盤で得たペナルティからも積極的にトライを狙いに行き、試合開始から10分近く相手陣22㍍線内で攻め続ける。

 しかし6試合を終えた時点で33失点(1試合平均5.5点)と堅守を誇る早稲田は、ディフェンスでしっかりと体を当てて対抗。苦しい時間をしのいで反撃に転じると、12分にCTB福島秀法の突破からゴールラインに迫り、HO佐藤健次キャプテンが左コーナーに先制トライを刻む。

 一方攻めあぐねる場面が続いていた明治も、16分過ぎに相手の反則に乗じて左コーナーでマイボールラインアウトのチャンスをつかみ、モールドライブからPR檜山蒼介が密集サイドを割ってグラウンディング。5-5のイーブンに戻すと、27分にもラインアウトモールを力強く押しきって10-5と逆転に成功する。

 それでも早稲田はここで動じず、FWとBKが一体となったアタックでジワジワと勢いを盛り返す。そして迎えた40分、レッドゾーンでのマイボールスクラムからサインプレーでWTB田中健想があざやかに突破して右中間にフィニッシュ。12-10とリードを奪って前半を折り返した。

 一進一退の展開は後半も続く。まずは10分に明治が連続攻撃を攻めきってCTB秋濱悠太がトライを奪えば、早稲田も16分にラインアウトモールでトライを返し、すかさず17-17の同点に。

 さらに早稲田は20分、HO佐藤の防御裏へのキックからゴールラインに迫り、最後はFB矢崎由高がタックラーを引きずりながら腕を伸ばしてインゴールにグラウンディング。ふたたび前に出ると、33分には正面約30メートルのPGをCTB野中が落ち着いて通し、27-17とこの日初めて1トライ1ゴールでは追いつけない点差までリードを広げた。

 しかし、伝統の早明戦はやはりそのままでは終わらなかった。37分、早稲田のゴールラインドロップアウトがダイレクトタッチになって得た5メートルラインアウトから明治がFWでたたみかけ、途中出場のNO8藤井達哉がトライ。3点差に詰め寄ると、なおも勢いに乗って明治が早稲田陣22メートル線内で猛攻を仕掛ける。

 トライを奪えば明治が逆転勝利という状況だったが、ここで真価を発揮したのが早稲田だった。相手の猛攻に一歩も引くことなくタックルし続けてゴールラインを死守し、最後は相手を右タッチラインへと押し出してフルタイム。27-24で勝利を収め、全勝で今季の対抗戦を締めくくった。

 極限のプレッシャーを跳ね除け、24回目となる対抗戦のタイトルを獲得した早稲田。HO佐藤健次キャプテンは最後のディフェンスの場面を振り返り、「1トライで逆転される場面でしたが、その状況を本当に楽しめた。今年力を入れてきたディフェンスで最後をしめくくれたのは、ノックアウト方式の選手権に向けて大きい意味がある」と胸を張った。

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