■関東大学対抗戦A・12月1日@熊谷A
【青山学院大 35-32 立教大】
青山学院大が立教大との激闘を制し、30年ぶり3度目の大学選手権出場を決めた。
最終スコアは35-32。最後まで勝敗の分からない手に汗握るゲームが展開された。
スコアは開始2分から動いた。先制点は立教大。FB大畑咲太の突破でペナルティを得ると、SO中優人がPGを沈めた。
その2分後には、青山学院大のSO青柳駿昌が上げたハイパントをCTB榎本拓真が好捕。すぐさま逆転した。
この後もリードが目まぐるしく交代する。今度は立教大が9分にSO中のオフロードパスを受けたFB大畑がトライ。8-7とリードすれば、その4分後に青山学院大がPG、その3分後に今度は立教大がPGを決める。スコアは11-10と動いた。
25分には再びFB大畑のアグレシッブなランを起点に敵陣深くに入り、立教大がこの日初めての連続得点を挙げる。
しかし、青山学院大も引かずに連続得点。32分にトライ、39分のPGで逆転し、前半終了間際には終始優位に立ったスクラムで反則奪い、ゴール前のFW戦を制して25-16とリードを広げた。
9点差を追う立教大は、風上に立った後半にキックを有効的に使う。
相手のキックキャッチのミスを突き、3分、9分、15分とPG攻勢で9得点。ついに同点に追いついた。
なおも勢いは完全に立教大にあったが、ここで青山学院大が踏みとどまった。
FL松﨑天晴の突破を起点にゴール前で相手の反則を誘うと、タップからの速攻でLO荒川真斗が値千金のトライ(25分)。32分にもPGで追加点を挙げ、35-25とリードを広げた。
しかし、立教大も諦めなかった。35分にFB大畑の50:22キックでチャンスを作ると、自らランで仕留めて3点差に。そののも攻勢に出て、敵陣22㍍ライン内まで進んだ。
一度はラインアウトをスチールされるも、相手ゴール前でラックになだれ込んでターンオーバー。最後の局地戦を展開した。が、ノットグラウンディングの判定。激闘の終わりを告げるホイッスルが鳴った。
青山学院大のCTB河村凌馬主将は「2月からのハードワークのおかげで最後まで気持ちを切れずに力を出せた。選手権出場を決められて素直に嬉しい」と喜びを語った。
選手権に向けては「初めて全国でどんな舞台かは分からないけど、自分たちがやってきたことを信じてそれを出すだけ」と意気込んだ。
立教大のSO中は「キックを使うという自分たちのやりたいことは結構できた感覚はあるが、ゴール前で取りきれないところがありました」と反省した。
入替戦に向けては、「やってきたことを出すことはこれまでと変わらない。後輩たちが来年もこの舞台で戦うためにも絶対に勝たないといけない。4年生として意地を見せたい」と語った。
<次戦日程>
・12月14日(土)青山学院大vs京産大@和歌山・紀三井寺 *大学選手権3回戦
・12月14日(土)立教大vs明治学院大@熊谷A *入替戦
■関東大学対抗戦A・12月1日@熊谷A
【慶應義塾大 50-0 日本体育大】
同会場で行われた直前の試合で青山学院大が選手権出場を掴み、選手権出場に向けてはボーナスポイントを獲得しての勝利が必須となった慶大。
最終節で日体大と対戦し、50-0で破った。ボーナスポイントも獲得。対抗戦4位で選手権出場を決めた。これにより筑波大が6位となり、選手権出場を逃した。
最終的には大きく差が開いたが、前半は攻めあぐねた。
スクラムで優位に立ち、何度も敵陣深くに入ったがなかなかスコアできず。先制トライまで16分要した(NO8冨永万作のトライ)。
その後も日体大の堅守に阻まれる。HO萩原一平主将にジャッカルを決められ、モールアンプレアブルを誘われた。
次のスコアは前半終了間際だ。CTB村田紘輔がハーフウェイライン付近で突破、そのまま走り切る。直後にもPGを沈め、17-0となんとかセーフティーリードを作った。
ボーナスポイント獲得には3トライ差の勝利が必要だったが、PGを狙った理由についてHO中山大暉主将はこうだ。
「ゲームの流れは大事にしたいと考えていました。前半はなかなか上手く得点できない流れだったので、得点に余裕を持つことは視野に入れながら戦っていました」
後半の立ち上がりもトライを取り切ることができなかったが、ここでもスクラムを起点に敵陣深くに入る。
16分にモールを押し込んで待望の3トライ目を奪うと、徐々にモメンタムが生まれた。
風上を利用してエリアを優位に進めた29分、スクラムを起点にWTB石垣慎之介が外にスワーブを切ってゴールラインを越えた。
その5分後にも石垣がステップで相手を振り切り、2トライ目を挙げた。
試合終了間際にはFL中野誠章の2トライで、終わってみれば50-0の大勝。無失点に抑えた。
中山主将は「負けたら4年生は引退という大事な試合の中で、相手を圧倒する気持ちを大切にして準備してきました。後半は風上を活かしながらしっかり強みを出せました」と試合を振り返った。
2週後に対戦する東洋大について、「留学生は縦に強いですし、BKには展開力がある」と分析し、「前に出るディフェンスやセットプレーで優位に立てるように準備したい」と意気込んだ。
青貫浩之監督によれば、前節から欠場のCTB今野椋平は選手権へは出場できる見込み。
早慶戦で手を負傷したWTB小野澤謙真の復帰は難しそうだが、バックスリーの層は厚い。この日は2トライのWTB石垣がチーム内でのPOMに表彰されていた。
<次戦日程>
・12月14日(土)慶大vs東洋大@秩父宮 *大学選手権3回戦
・12月14日(土)日本体育大vs成蹊大@熊谷A *入替戦