■関西大学Aリーグ・11月30日@花園Ⅰ
【天理大 31-15 京都産業大】
互いに前節で敗戦を喫した、京産大と天理大の上位2校による優勝決定戦。前半こそ接戦だったが、後半に突き放した天理大が31-15で快勝した。
京産大の4連覇を阻み、4年ぶり13度目の優勝を飾った。
80分間通して、天理大の粘り強く堅い守りが光った。
まず見せたのはモールディフェンス。相手の十八番であるモールの前進を阻み、ターンオーバーを成功させ、タッチラインにも出した。
それでも前半12分には京産大が先制する。スワーブを切ったCTB辻野隼大からラストパスを受けたWTB堤田京弘が左コーナーに飛び込んだ。
その後も京産大のアタックは続いたが、その度に天理大はWTB平松麟太郎、HO寺西翔生らがジャッカル連発。前半20分で4度のターンオーバーを記録した。
攻勢に転じた27分には、スクラムでのペナルティなどでゴール前まで攻め込み、最後はHO寺西がグラウンディング。
その直後に自陣深くでのモールを三たび防ぐと、再びスクラムで得たペナルティを起点に攻め込む。36分にPR松野楓舞がもぐり込んでゴールラインを越え、12-7と逆転した。
京産大は前半終了間際にPGで3点差まで詰め、後半の立ち上がりもLO石橋チューカらの突破でチャンスを作ったが、肝心な場面でのハンドリングエラーは修正できず。
その間にWTBナイバルワガ トマシのラインブレイクを許し、10-19と差を広げられた(14分)。
24分にも同じような流れから、天理大が追加点を奪う(FL川越功喜のトライ/26-10)。
その2分後にはキックオフのキャッチミスからトライを許すも、39分にSO上ノ坊駿介の突破からLOアリスター・サウララのトライでダメを押した。
天理大の小松節夫監督は、4位に終わった春季トーナメントから這い上がった選手たちの奮闘を称え、「セットプレーが安定するかしないかで勝敗がはっきりしていた。今日はモールもスクラムも頑張ってくれて、うちのペースで進めることができた」と勝因を語った。
京産大の廣瀬佳司監督は、「トライを取るチャンスがたくさんあった中でスコアに結びつけられなかった。その差が出た」と敗因を話した。
<次戦日程>
・12月14日(土)京都産業大vs対抗戦A5位@和歌山・紀三井寺
・12月22日(日)天理大vs対抗戦A3位or東海大@鈴鹿
■関西大学Aリーグ・11月30日@花園Ⅰ
【近畿大 31-29 関西学院大】
勝ったチームが大学選手権の最後の1枠を手にできるサバイバルマッチ。
決戦らしく緊張感は終盤まで続き、最後に笑ったのは近大だった。3位で大学選手権出場を決めた。
先制トライは、対する関西学院大だ。前半3分、相手の反則から敵陣22㍍内に侵入し、モールで前進。最後はCTB川村祐太が裏へパスを通し、WTB山本快がインゴールに入った。
続く17分には、FL稲垣直希のゲインを起点に左サイドのスペースに展開、NO8小林典大がトライを挙げた。12-0とした。
近大は幾度も敵陣深くに入りながらその度に相手の堅守に阻まれていたが、31分にようやくスコアを動かす。
HO村尾幹太のジャッカルを起点に、再び敵陣深くに入った。ゲインラインに勢いよく切り込んだLO駒井凌太が突破し、PR蔡唯志がゴールラインを越えた。
前半の終盤は一進一退の攻防が続くも、12-5と関西学院大リードのままハーフタイムを迎えた。
一方で、後半の序盤はスコアがよく動いた。
関西学院大は1分、WTB武藤航生のキックチャージで19-5とリードを広げるも、その3分後には近大が反撃。SH渡邊晴斗のインターセプトで再び7点差と迫った。
7分に関西学院大が、10分に近大が交互にPGを入れて15-22とスコアが動く。
次の得点は17分。風上に立った近大が奪った。
FB阿曽有馬のトライで同点に追いつき、28分にはSH渡邊のグラバーキックに反応したCTB藤岡竜也がインゴールで抑えた。
この日初めて近大がリードを奪った。
終盤はLO駒井のジャッカルなど堅守を披露。PR稲場巧を中心としたスクラムでも優位に立ち始め、最後は自陣22㍍内でCTB嶋竜輝が値千金のジャッカル、試合を終わらせた。
互いに5勝2敗の勝ち点24で並び、直接対決を制した近大が3位、関西学院大が4位となった。
近大の神本健司監督は「関西学院大学さんはやはり素晴らしいチームでした。ブレイクダウンでのターンオーバーが非常に多いチームで、それに対しての対策をして最小限に抑えることができたと思います」と勝因を語った。
敗れた関西学院大のHO平生翔大主将は「タフなゲームになることはわかっていた。自分たちのカルチャーであるひたむきさを出すことはできたと思うけど、負けて悔しいという思いが今は本当に強い」と肩を落とした。
<次戦日程>
・12月14日(土)近畿大vs福岡工業大@和歌山・紀三井寺