ヨーロッパツアーでフランス、ウルグアイ、イングランドとテストマッチ3試合を戦った日本代表が、11月26日に帰国した。同日夜には羽田空港で、到着したばかりのエディー・ジョーンズHCと永友洋司男子15人制日本代表チームディレクターが、秋の代表活動の総括メディアブリーフィングをおこなった。以下、ジョーンズHCの会見の模様を抜粋してお伝えする。
(冒頭のコメント)
「フレッシュスタートという形で今シーズンを始めましたが、我々のターゲットが2027年のW杯であることに変わりはありません。
明らかなのは、世界のトップ4と我々の間にはギャップがあるということです。しかし、今年は新しく20名のプレーヤーがジャパンのキャップを得ました。その中には、今後自信をつけて成長していくプレーヤーがいると認識しています。
もちろん今回の試合結果についてはとても残念だし、悔しく思っています。しかし自分たちの現状と、目標としているところのギャップがわかったことは収穫だと思います。このギャップを埋めるためには、まずハードワークを積むこと、粘り強くやり続けること、そしてセレクションの一貫性が求められます。
W杯に向けては、チームとして500キャップから600キャップを持つことが必要ですが、現状はまだ200キャップほどしかありません。そうした経験値の不足が、試合の重要な局面においてミスが起こる理由になっていると思います。
ここ12か月の世界のラグビーの状況を振り返ると、競技そのものが大きく変わっています。ヨーロッパのラグビーを見ると、ブレイクダウンのインテンシティ、空中戦の激しさがますます重要になってきていることがわかりますし、そこが我々にとって今後の課題だと認識しています。
私としては今後の3年間でチームを積み上げていく自信があります。引き続き、みなさまのサポートをお願いしたいと思います」
(今後の改善点について)
「大きく変えるところは特にないと思っています。大切なのは、自分たちの強みを80分間出してプレーし続けるようになることです。
我々は、ジャパンが世界でベストのアタッキングラグビーをできるチームになれると信じています。またアタックがよくなれば、ディフェンスもよくなるものです。
ディフェンス面では、アンストラクチャーで相手にボールを渡してしまうことが多かった点を修正しなければいけません。また、もうひとつの失点の要因となっていたのがセットピースのディフェンスで、そこにはモールディフェンスも含まれます。
セットピースのディフェンスを向上させるには、経験を積むしかありません。モールが強いチームと対戦し経験を積まなければ、修正はできないと思っています。
リーグワンのチームと、世界各国の代表は、その点でまったく違います。ディフェンスの経験はテストマッチを重ねなければできないものですし、今後の3年間を通して経験を積むことで、確実に向上できる部分だと信じています。
そこに魔法はありません。ハードワークと厳しい経験を重ねることでしか学べないことです。イングランド戦やフランス戦のような厳しい試合は、我々にとって必要不可欠な経験です。50点差で負けてしまった経験から学ぶことでしか、強くなることはできません」
※総括会見②に続く