11月23日、神奈川県・保土ケ谷公園ラグビー場で第44回東日本大会の2回戦3試合がおこなわれ、本郷中、茗溪学園中、慶應普通部が勝って12月7日の準決勝にコマを進めた。
■第1試合 本郷中(東京4位) 17-7 千歳中(東京1位)
本郷が相手陣のペナルティからタッチ、ラインアウトモールを押し込んでHO土井優晴のトライで先制した。本郷はFWが接点で優位に立ち、自陣からでも積極的にボールを繋ぐ。対する千歳は前半風上だったが、そのアドバンテージを活かせず、ミスも重なり持ち味の展開ラグビーができない。
その後、お互いに1トライずつ挙げ12-7本郷リードでハーフタイム。
後半、風上に立った本郷は千歳をゴール前にくぎ付けにするも、千歳も堅いディフェンスでゴールラインを死守。膠着状態が続いたが、15分に本郷がラインアウトからモールを押し込みHO土井がグラウンディング、17-7で勝負あり。
試合後、本郷・村井西伊ヘッドコーチは「ディフェンスが良かった。後半、敵陣でプレッシャーをかけることができたのが勝因」と話した。一方、敗れた千歳・加藤敦監督は「練習してきたことが出せなかった。本郷さんの勝ちたいという気持ちが上回っていた」と唇をかみしめた。
■第2試合 茗溪学園中(茨城・千葉1位)14-12明大中野中(東京2位)
この日、アカデミッククラスの研修旅行と日程が重なり、先発BKは2年生だけでそろえた茗溪学園。立ち上がり硬さが見られたが、前半7分、カウンターアタックでゲイン、ゲームキャプテンを務めたLO龍田翔のトライ(ゴール)で7-0と先制した。
前半終了間際、明大中野はキャプテンSO片寄友晴の力強い突破でゴール前まで攻め込むと素早くBKに展開、スピードのあるFB高山宗二朗がタックルを振り切ってインゴールに持ち込み5点を返した。
後半、一進一退の攻防から13分、明大中野はSO片寄がタテに切り込みゴール真下に逆転のトライ、自らゴールも決めて12-7とした。
茗溪学園は、後半ミスでなかなか攻撃が繋がらなかったが、試合終了間際、相手のキックをタッチライン際でキャッチすると、LO龍田-HO草間匠児-PR西山遼と3年生FWがボールを繋ぎ、西山がインゴール左スミに飛び込み土壇場で同点に追いついた。そしてCTB林康介が難しいコンバージョンを決めて逆転、そのままノーサイドという劇的な逆転勝利を飾った。茗溪学園の最後まであきらめない勝利への執念がラストワンプレーにつながった。
終始ボールを動かして攻め続けた明大中野、あと一歩勝利に届かなかったが、村山幸治監督は「最後まで思いのこもったプレーを見せてくれた。誇りに思う」と選手を称えた。
■第3試合 慶應普通部(神奈川1位)33-7國學院久我山(東京3位)
前半風上の慶應普はブレイクダウンで優位に立ち、5分に敵陣で左右に展開からLO富田峨久が抜け出して先制トライを挙げると、7分にはWTB中川開仁が相手のタックルをハンドオフでかわし左中間に持ち込み12-0とした。
中盤、久我山は相手陣ゴール前まで攻め込んだが、自ら反則でトライにつなげられず。逆に慶應普は15分、自陣で相手ボールを奪うとすかさずキックで敵陣に入りチャンスを作る。そして直後のラインアウトからBKがタテを突いてFB西山旺輔が持ち込み19-0で前半を折り返した。
後半2分、慶應普はゴール前の連続攻撃からキャプテンの宍倉漣介が抜け出してゴール下に飛び込み26-0とした。このまま終われない久我山は、7分に相手ゴール前でPKを得るとスクラムを選択、そこからBKに展開、WTB武井聡大が回り込んで1トライ返したが、慶應普が試合終了間際に1トライを加え33-7でノーサイド。
地元神奈川で快勝し、6年ぶりに4強にコマを進めた慶應普・宍倉キャプテンは「昨年2回戦で負けて悔しい思いをし、その悔しさを晴らすために1年間頑張ってきました。エースはいないけど、みんなで最後まであきらめないでディフェンスをして、チームで勝ちました」と胸を張った。
なお、12月7日に神奈川県立スポーツセンターでおこなわれる準決勝は、北嶺(北海道1位)を下してすでに準決勝進出を決めている昨年度チャンピオンの男鹿東・男鹿南・天王南(秋田1位)の合同チームと本郷が第1試合で対戦、第2試合で茗溪学園と慶應普通部が対戦する。その勝者が8日に同会場で東日本一の座をかけて戦う。