ラグビー日本代表は現地時間16日、フランス・シャンベリーでウルグアイ代表とぶつかる。
ここでテストマッチ初先発を飾るのは濱野隼大。コベルコ神戸スティーラーズ所属の23歳だ。この日はWTBに入り、180センチ、体重93キロのサイズと追っ手を振り切る韋駄天ぶりを活かす。
「外(タッチライン際)でスピードをつけて走り、チームにモメンタム(勢い)を付けられたらいいと思っています。アタックしている時間が長ければ長いほど、ラグビーは楽しい。」
今年発足の第2次エディー・ジョーンズヘッドコーチ体制には、候補合宿から参加している。初めて本体に加わったのは9月。パシフィックネーションズカップへ挑むチームに追加招集された。
チャンスを得たのは同月21日だ。東大阪市・花園ラグビー場での大会決勝に後半12分から出場した。フィジー代表に17-41と敗れるも、記念すべき代表デビューを飾った。
10月からのキャンペーンへはスタートから参加。ジョーンズには、常に献身的な動きを求められる。緊張感を保つ。
「いまジャパンがしようとしているのは『どれだけハードワークできるか』。自分がどれだけ自分がチームのために動けるかを重視します。セカンドアクション、サードアクション…と、1回のプレーだけで終わらずに次に何をするかを考えるところ(意識)は、よくなってきていると思います。(ジョーンズからは)できていない時にはできていないことをしっかりと言われ(指摘され)、できている時には『このプレーはよかった。次も』とアドバイスをもらっています」
中学、高校時代はニュージーランドのロトルアボーイズ校へ留学している。目下連敗中のナショナルチームにあっても、バイリンガルらしく生きる。
苦しい時こそ、積極的に仲間と話す。
「僕は日本語、英語の両方ができるので、色んな人とカフェに行くなど、一緒に過ごす時間を長くできるようにしています。これはニュージーランドの高校時代のコーチからも言われたことですけど…。負けたことは仕方がない。このままずっと下を向いていても、次の試合でいいプレーができない。負けたことから学んで、次の週にいいプレーができるように。…そうしています」
フランス代表戦でスターターのWTBだった長田智希が、ここ数日以内のトレーニングで軽傷を負った。アクシデントに伴い、濱野が新しい機会を得た。
ウルグアイ代表は世界ランクでこそ日本代表を下回るが、2019年のワールドカップ日本大会で台風の目と目されたフィジー代表を破るなど感動的なゲームもしてきた。濱野は警戒心を失わない。
「次は今季もっとも大事な試合だとエディーさんも言っている。ほとんどの人は日本代表が勝つと予測していますが、ウルグアイ代表は2019年にフィジー代表にも勝っている強いチーム。油断せず、自分たちのやることをしっかりやる…という話をしています」
代表選手として重圧と向き合う。