大学ラグビーシーンはいよいよ終盤戦に入り、各リーグとも優勝と大学選手権出場を巡る争いが一段とヒートアップしてきた。11月10日の熊谷ラグビー場では、関東対抗戦で好パフォーマンスを続けている早稲田大が筑波大と対戦。危なげない試合運びで6トライを奪い、44-7の完勝を収めた。
開始1分過ぎ、縦横を組み合わせたスピーディーな連続攻撃で幸先よくWTB池本晴人が先制トライを挙げた早大。直後にサインプレーから筑波大のWTB増山将に走りきられたが、13分にテンポよくアタックを継続してNO8鈴木風詩がゴールラインを越え、14-7とふたたび前に出る。
そこからやや停滞する場面もあったものの、24分、31分とCTB野中健吾が落ち着いてPGを追加。前半終了間際にはスクラムを起点にゲインを重ね、CTB福島秀法が左中間に滑り込む。25-7として試合を折り返した。
後半に入っても早大ペースは変わらない。9分、ペナルティから相手の集中が切れた瞬間を見逃さずSO服部亮太がキックパスを通し、WTB田中健想がフィニッシュ。17分には右コーナーのラインアウトからモールを力強く押しきり、HO佐藤健次が押さえる。
さらに31分、FWとBKが一体となった攻撃で相手防御を揺さぶり、最後はCTB野中がトライ。得点を44まで伸ばすとともに筑波大の反撃も封じて、フルタイムを迎えた。
また同日同会場でおこなわれた関東リーグ戦では、流通経済大がここまで4勝1分けの大東文化大に初黒星をつけるビッグパフォーマンスを見せた。
前半12分に右コーナーのラインアウトモールを力強く押しきって先制した流経大は、25分にもSO佐々木開が正面のPGを決め、10-0と先行する。しかし今季好調の大東大もここから勢いを盛り返し、26分に連続攻撃からHO嵯峨嗣侃が押し込んで反撃開始。40分にはペナルティからタップキックで攻め、CTBハニテリ・ヴァイレアが仕留めて14-10と逆転する。
迎えた後半も一進一退の激戦に。11分、再三トライ寸前まで迫っていた流経大がようやくチャンスを仕留めきり、NO8ティシレリ・ロケティのトライで逆転。しかし大東大も20分に左ラックからショートサイドを突いたFBタヴァケ・オトがライン際を抜け出し、19-17とする。
それでもこの日の流経大は闘志が衰えなかった。チームの代名詞であるダイナミックラグビーを体現するように果敢にボールを動かして仕掛け続け、36分にSO佐々木のPGで逆転。そして40分には辛抱強くフェーズを重ね、WTB濱谷海斗が大きなトライをマークする(G成功で8点差に)。
大東大も諦めず追走し、ロスタイムのPGで5点差まで詰め寄ったが、最後は相手陣ゴール前でのマイボールラインアウトで痛恨のノックオン。流経大がリードを守り抜き、4勝目を手にした。
勝った流経大は勝ち点を25まで伸ばし、2位に浮上。大東大は敗れたものの7点差以内の敗戦によるボーナスポイントを加え、勝ち点27で首位を維持した。
<次戦日程>
・11月23日(土・祝)早稲田大vs慶應義塾大@秩父宮
・11月30日(土)筑波大vs帝京大@秩父宮
・11月24日(日)大東大vs法政大@秩父宮
・11月24日(日)流通経済大vs東海大@秩父宮