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【関西大学リーグ】天理大が関西学院大との接戦制す。摂南大は関西大破り、今季初勝利。

2024.11.10

好走を披露した天理大WTB藤原竜之丞(撮影:早浪章弘)

何度もランでチャンスを作った関西学院大FB武藤航生(撮影:早浪章弘)

■関西大学Aリーグ・11月10日@鶴見緑地球技場
【天理大 28−15 関西学院大】

 関西春季トーナメントでは関西学院大が天理大を破ったが、半年後の再戦は天理大が勝敗をひっくり返した。
 後半3分までに7-15と8点差をつけられたがそこから逆転、タイトなゲームを制した。

 序盤は天理大が攻め立てた。何度も敵陣深くに入ったが、HO平生翔大主将のジャッカルなど相手の堅守と、度重なるラインアウトでのミスでスコアボードを動かせなかった。
 相手に攻撃権が移った21分には、ペナルティを3点(PG)に変えられた。

 その6分後には相手のBKに華麗に崩された。0-8とされた。

 その後もHO寺西翔生のジャッカルを起点にチャンスを作るも、今度はPR大塚壮二郎のジャッカルに阻まれ、ラインアウトのミスは続いた。
 それでも粘り強く攻め続け、前半終了間際にようやくWTB藤原竜之丞のゲインから最後はFW戦を制した(LOアリスター・サウララのトライ)。

 7-8で迎えた後半には、再び関西学院大BKのカウンターアタックに翻弄され、WTB山本快に左タッチライン際を攻略された。
 ゴールも決まって7-15、この日最大の8点差をつけられた。

 しかし、天理大の気は落ちなかった。この日、怪我から復帰したFL太安善明らがしきりに仲間を鼓舞。
 点差を離された3分後の5分にラインアウトモールを押し込んで再び1点差とすると、11分には自陣深くから大胆に仕掛け、CTB和田雄翔のトライまで繋ぎ切った。

 以降、追加点はなかなか奪えなかったが、FL川越功喜のジャッカルやLOサウララのラインアウトスチールなどで21-15のスコアを保った。
 35分にラインアウトモールで28-15とし、決着はついた。

 緊迫したゲームを振り返り、天理大の小松節夫監督は「疲れました」。
「アタックが素晴らしい関西学院大に対して、どれだけディフェンスできるかが焦点でした。早くセットして動き続ける、歩かないということを意識してやれたと思います。それでも2本取られましたが、競ったゲームをものにできたのは成長に繋がる」と話した。

 敗れた関西学院大の小樋山樹監督は「非常に残念」と話すも、「同時に伸びしろを感じた」と前向きに捉えた。
「セットプレーの精度をまだ上げられると思うし、フィールドでももっと上手くやれることがたくさんあった。パフォーマンス自体そこまで良くなかった中でも天理とこういうゲームができて、まだ可能性があると感じた」

 両校は翌週にそれぞれ近大、京産大と上位勢の戦いが続く。

<次戦日程>
・11月17日(日)天理大vs近大@神戸ユニバー
・11月17日(日)関西学院大vs京産大@神戸ユニバー

ゲインラインを突破する摂南大LO片松寛太(撮影:早浪章弘)

■関西大学Aリーグ・11月10日@鶴見緑地球技場
【摂南大 38−22 関西大】

 入替戦回避を目指す2校の対戦。第2節で近大を破った関西大だったが、この日は摂南大に今季初勝利を献上した。

 これで2試合を残し、5位・立命館大(勝ち点5)、5位・摂南大(5)、7位・関西大(4)、8位・同志社大(0)の並びとなっている。

 摂南大は立ち上がりにSO川上凌空がキック合戦を制し、スクラムでペナルティを誘うなど優位に立った。
 前半11分に関西大SO﨑田士人の50:22からモール押し込まれて先制トライを許したが、以降は粘り強いディフェンスと強みのアタックで流れを引き寄せた。

 相手が重ねた反則を3点(PG)に変えたのが27分。その3分後にはラインアウトからのアタックで崩す。
 ファーストレシーバーに入ったゲーム主将のCTB嶋本大賀がロングゲインを切って役割を果たすと、素早いリサイクルで最後はSH松下宇宙がゴールラインを越えた。

 10-7と逆転した36分には味方のミスを堅い守りでカバー、ラインアウトではFL大島優輝がスチールしてそのまま突破し、LOショー・アミニアシのトライに繋げた。

 17-7で迎えた後半の序盤にも、CTB嶋本らのタックルから落球を誘う。再びスクラムでペナルティを誘い、SO川上がPGを沈めた。

 しかし、以降は関西大の反撃に遭う。9分に十八番のモールで20-14と点差を縮められると、17分には用意したラインアウトからのアタックで一度もラックを作らず取り切った。1点差まで詰める。

 互いに敵陣深くに入りながらスコアできなかった終盤は、摂南大が37分にSO川上のPGでリードを広げる。
 それでも食い下がる関西大は、敵陣22㍍内のラインアウトを得た。圧倒していたモールを組めれば逆転の局面だったが、スローがわずかに乱れる。

 直後にラック脇を突いた摂南大CTB公文毅京が自陣から走り切って30-19。まもなくノーサイドの笛が鳴った。

 今季初勝利を飾った摂南大のCTB嶋本ゲーム主将は、「勝ち切れてよかった。今回の良いイメージを持ってあと2試合戦いたい」。
「エリアごとにどういうプレーをするか明確になっていた。まだまだ練習でやってきたことを出せなかった部部も多いけど、少しは出せたことが勝因に繋がった」と続けた。

 敗れた関西大のCTB石川海翔主将は、80分間で9度犯したペナルティを敗因に挙げ、「ブレイクダウンでファイトする姿勢は間違ってない。ただレフリーとしっかりコミュニケーションを取りながら正しくファイトしたい」と話した。

<次戦日程>
・11月24日(日)摂南大vs立命館大@天理親里競技場
・11月24日(日)関西大vs同志社大@天理親里競技場

セットプレーや地上戦でしぶく光る関西大LO岡田薫瑠(撮影:早浪章弘)
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