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ワーナー・ディアンズ、学びが多かったオールブラックス戦

2024.10.31

ワールドクラスの活躍で場内を沸かせた日本代表LOワーナー・ディアンズ(撮影:イワモトアキト)

 10月26日、日産スタジアムでオールブラックスと対戦した日本代表は19-64と完敗した。その中で、随所でワールドクラスの働きを見せたのがLOワーナー・ディアンズだ。

 前半20分、自陣10㍍ライン付近でオールブラックスのアタックの場面、SOダミアン・マッケンジーにNO8ファウルア・マキシが強烈なタックルを見舞うとボールがこぼれ、これに反応したのがディアンズだった。

 転がるボールを長い足で蹴ると大きく跳ね、ワンバウンドしてディアンズの胸にすっぽり収まった。そのまま黒衣WTBセヴ・リースのタックルをかわして約30㍍を走り切ってインゴール左中間に飛び込んだ。

 逆転トライ、と思われたが、TMOの結果、直前のプレーがノックオンと判定され惜しくもトライキャンセル。もしトライが認められていれば、その後の試合の流れが変わっていたかもしれないビッグプレーだった。

 さらに7分後には、相手陣22㍍ライン付近のラックで、SHキャム・ロイガードの左脚のキックを出足鋭くプレッシャーをかけてチャージし、場内を沸かせた。

  試合には敗れたものの、ビッグゲームを通して、さらに成長を続ける22歳。

 試合後、ディアンズがメディアに対応した。以下、一問一答。

――いろいろ学ぶこともあったかと思います。

「まあ、ちょっと足りなかったですね」

――一番感じたものは。

「一番はディフェンスかな」

――前半20分過ぎから外側が、狙われていた。

「外でブレイクされたらFWのディフェンスが追いつかなくなってしまうし、FWもミスタックルが多かったし、よくしていかないといけないと思います」

――悔しい思いは強いと思うけど、外から見ていると(ディアンズ)個人のプレーではいい部分もたくさんあった。

「もうちょっとできたかなと思います。とくにディフェンスのところで、何回かミスタックルして、そういうところでタックルを決めないと、という場面が多くて、そこを直していきたい」

――パワーで負けたというよりは、オールブラックスも切り返しが早くて、そこでいいディフェンスができなかったと見えた。

「そうですね、相手はどんなチャンスを与えてもそこからアタックしてくるチームなんで、アタックからディフェンスの切り替えが遅くて、上手くいかなかった」

――TMOで自身のトライがキャンセルになって、そのときのチームの雰囲気は。

「よくわからないというか、変な感じ。ちょっと落ち込んでいた。次のプレーがスクラムで、一発でトライを取られて気分がちょっと落ちたと思います。みんなに声はかけていたんですけどね。トライがキャンセルされても「次のプレーに集中しよう」とリーダー陣全員が言っていたけど、ちょっとうまくいかなかったですね」

――気持ちが落ちるというのは若さ?

「僕にはわからないです。自分自身、スクラムを全力でやって、全力で押して、ほかのひとも全力で押していた気がするし、BKも全力でディフェンスはしていたんですけど、なんか足りなかったですね」

――WTBがつられて内側に入ってしまうところなんかを見ると、まだもう少し時間が必要なのかなと思ったが。

「オールブラックスはそういうアタックもうまいし、自分たちも経験が浅いからというところもあるかもしれないけど、もうちょっとできた気がします」

――みんなオールブラックスということでナーバスになっていた?

「ほかの人のことはわからないです。自分は代表として戦わないといけないというマインドセットで、勝ちたいという気持ちが強くて、自分としてはいい準備はできていました」

――いい準備ができていると、ああやってキックして自分でキャッチしてトライができる。

「ラッキーでした。蹴ってチェイスでちょうど目の前にボールが落ちてきて、まあ、ラッキーでした」

――キックをした時点で、落ち着いてプレーはしていた。

「試合で初めてボールを蹴りました(笑)。これまで蹴ったことないけど、まあ、うまくいった」

――自然に足が出た?

「ボールを取ろうと思ったんですけどちょっと遠くて、足で届くかなと思って足を出したらうまく当たった」

――この試合で自信掴んだことや手ごたえを感じた部分は?

「あまりないですね。修正点がいっぱい出て、全員が集中していかないといけないところがいっぱいあると思います」

 

身長201㌢の長身を生かし、ラインアウトでも安定したキャッチングを見せたワーナー・ディアンズ(撮影:イワモトアキト)
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