■関東大学ジュニア選手権カテゴリー1・10月20日@明大八幡山グラウンド
【明大 35-24 早大】
10月20日、明大八幡山グラウンドで関東大学ジュニア選手権がおこなわれ、明大が早大を35-24で破った。両チームとも攻守の強度が高く、Aチームさながらの引き締まった好ゲームを披露。結果の如何にかかわらず、シーズン終盤に向けて期待の持てる内容となった。
なお本来この試合は早大の上井草グラウンドで開催予定だったが、前夜の悪天候の影響により施設の一部が破損。会場は急遽の変更を余儀なくされた。早大の大田尾竜彦監督は、「(変更を)認めてくれた関東協会、受け入れてくれた明治さんに感謝したい」と述べた。
序盤はお互いにチャンスとピンチが行き来するなか、先制トライを奪ったのは明大。13分、自陣中盤まで攻め込まれるも、WTB坂本公平がタッチライン際でインターセプトに成功。そのまま約70mを走りきり、インゴール中央にボールを置いた。自身でコンバージョンも決めて、7-0とする。
勝てば首位でのプレーオフ進出が決まる早大の反撃は21分。敵陣右サイド22メートル線内でのマイボールスクラムを起点に、左のスペースへと展開。最後はFL多田陽道のオフロードパスを受けたWTB西浦岳優がポール下を走り抜けた(5-7)。
このあとペースを掌握したのは早大。ブレイクダウンで果敢なファイトを見せ、明大のアタックに勢いを出させない。同時に、縦横に速い攻撃で守勢に回らせ、30分にはまたも西浦が左隅に飛び込んでスコアをひっくり返した(10-5)。
しかし、ここから明大が一気に盛り返す。32分、敵陣ゴール前中央のラックサイドの隙をSH田中景翔が突いて再逆転(14-10)。その2分後にはグラウンド中央付近のブレイクダウンでターンオーバー。こぼれたボールをCTB山田歩季が蹴り出し、みずからインゴール内で抑えた(21-10)。
高い集中力でチャンスを逃さなかった明大が11点のリードで前半を折り返す。
後半に入っても激しい主導権争いは続く。9分に早大のCTB森田倫太朗、13分には明大の坂本と、お互いに1トライずつを取り合い、簡単に相手にペースを渡さない。
潮目が変わったのは20分過ぎ。早大が自陣でのマイボールスクラムで相手をめくりあげ、コラプシングを奪う。このペナルティで敵陣に入ると、そのまま約20分ほど明大陣内でボールを保持し、紫紺のジャージーを追い込んでいく。
この攻勢が実ったのは39分。キックチャージをきっかけにFB植木太一が左タッチライン際を突破してゴールラインを陥れた。難しい角度のゴールも決まり、24-28と4点差まで詰め寄る。
明大は苦しい時間が長く続いたが、逆に言えば失トライをひとつだけに抑えて、よく耐えた。ペナルティが増えるも、低く鋭いタックルとボールへの執拗な絡みでゴールラインをなかなか割らせなかった。「(ハドルでは)ディフェンスはめちゃくちゃいい。反則は気にせず続けよう、と話していた」(坂本)。
これが功を奏したのか、ロスタイムには敵陣ゴール前のラインアウトを有効に活かして、中央まで侵入。最後は途中出場のSH登根大斗が飛び込んで勝負を決めた。
2トライ5ゴール、20得点と気を吐いた坂本は、「早明戦は勝たないといけない試合。春(春季大会)に負けていたので、この試合に勝って、いい形で次につなげたかった」と振り返った。明大の神鳥裕之監督は、「(早稲田は)アタックがよく、オフロードもうまい。なかなか的を絞れなかった」と相手の強さを認めたうえで、「こういう強度の高い試合が選手の潜在能力を引き出してくれる。成長につなげたい」と、次戦以降を見すえた。
一方、早大の大田尾監督は、「持っている力は出せた。これから積み重ねられる部分もある。それほど落胆はしていない」と前を向いた。
早大は3勝1敗の勝ち点18で予選プールを終了。明大は3戦全勝で勝ち点を17まで伸ばし、1位でのプレーオフトーナメント進出をかけて、帝京大との最終節(10月27日@帝京大グラウンド)に挑む。