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勝って反省、帝京大・青木恵斗主将「ボールをつなごうとする意識が空回りしていた」

2024.09.08

日体大のタックルに全身を阻まれる帝京大NO8カイサ・ダウナカマカマ(撮影:舛元清香)

  

 9月7日に開幕した関東大学対抗戦。王者・帝京大は今季Aに昇格したばかりの日体大と対戦し、67-6(前半31-3)と大勝したが、帝京大にとってはイレギュラーなスタートとなった。

 この日、試合前にちょっとしたトラブルが発生。選手が乗ったバスが渋滞に巻き込まれ、到着が予定時間から30分遅れた。移動中のバスの中でテーピングを巻くなどして試合前の準備に対応した。

 また、副将のSH李錦寿をはじめ数名の主力がケガで欠場を余儀なくされ、1年生のLO坪根章晃(東福岡)、FL福田大和(中部大春日丘)、SO福田正武(國學院栃木)、CTB佐藤楓斗(尾道)が先発出場、BK神田丈英(常翔学園)もリザーブに名を連ねた。

 35度を超える暑さの中、キックオフ。立ち上がり4分に敵陣ゴール前ラインアウトからモールを押し込み、HO知念優来が先制トライを挙げたが、9分には自陣でオフサイドの反則をおかしPGを返された。その後15分には敵陣ラインアウトからFWの前進でゴール前まで攻め込むと、最後はCTB上田倭士がインゴールに持ち込んだ。

 このまま帝京大が流れをつかむかと思われたが、この日の赤いジャージーは波に乗り切れない。ペナルティからタッチキックでゴール前のラインアウトを得ても反則でチャンスをつぶし、敵陣に入ってもパスミスで得点につながらない。チーム3つ目となるFB神田陸斗がトライを挙げたとき、試合開始から30分がたとうとしていた。ただ、そこから徐々に歯車がかみ合いだし、後半6トライを重ね67点を挙げた。

 試合後、初戦を終えての感想を問われた帝京大・相馬朋和監督は「まだラグビーをするには暑い環境の中で、選手たちはタフな戦いを強いられました。到着が遅れてしまったり、今日はいろいろ経験できないことをしながらゲームに臨まなくてはいけなかった。そういった中で大きなケガ人も出ずに結果を出すことができてホッとしています」と安どの表情を見せた。

 これに対し、キャプテンの青木恵斗は、「チームとしてミスが多く反省することがたくさんありました。練習からの甘さが出たり、帝京としてのスタンダードが落ちているなというのを改めて実感しました」と厳しい表情でコメント。

 そして序盤、流れに乗れなかった要因として「アタックしていてフェイズを重ねずにスコアしようという意識が強くて、相手が崩れていないのにオフロードでつなごうとしたりして立て続けにミスが続いてしまい、自分たちのシェイプでアタックができませんでした。ボールをつなごうとする意識が空回りしていました」と分析、初戦の勝利にも反省ばかりが口をついた。

 相馬監督は、「ラグビーはプレッシャーのゲーム。それがプレッシャーと抗うことなく楽になりたいという気持ちが先行すると、選択を誤ってプレッシャーが我々に向いてしまう。そういうのが今日の試合では数多くみられました。プレッシャーをものともしないのが本当の意味での帝京の強みだと思っています。選手たちはそのプレッシャーと向き合えることを楽しめるようになると、キャプテンが望むような試合展開になるのかなと思います」、そして「ただ、これだけの点数を取っているので、マイナスなことばかりではないと思います。いい意味で反省をして次のゲームに生かしていきたいと思います」とまとめた。

 まだ本調子ではないが、その分、これからどのようにチームに仕上げてくるのか楽しみでもある。この日出た課題をどう次の試合に生かすか。9月23日、青学大を迎え撃つ。

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