[日本大学(昨季関東大学リーグ戦1部6位)]
3季前の2021年度は5勝1分けでリーグ戦優勝に肉薄したが、過去2シーズンは好選手を擁しながら4位、6位と振るわなかった。思うように力を発揮できなかった反省をふまえ、今季は「ラグビー以前のところでチームとして大事にする価値観、日大のスタンダードを、学生と一緒に考えながらやってきた」と稲田仁チームディレクターは語る。
フィールド上のプレーでは、クラブの看板であるスクラムとともに、ディフェンス力の向上に力を注いできた。スクラムではPR中野裕翔、HO西岡昴、PR江藤大輝の4年生トリオが強力フロントローを形成。ディフェンスは周囲とコネクトしながら相手を追い込むシステムを採用し、リーグ戦を勝ち抜く上で必須の安定した防御力を培っている。
アタックでは最上級生になったLOセコナイア・ブルが、突破役として重要な役割を担う。BKで注目されるのは徳永優太(4年)だ。局面を打開できる能力を有し、チームの目指すアグレッシブな攻撃を実現するキーマンとしてCTBやFBでの起用が想定される。
この夏は8月9日から1週間にわたり天理合宿を実施。天理大との合同練習を通じて、ひたむきさや最後まであきらめずにプレーする姿勢を学んだ。「トライされるにしても追い込んで端にさせるといった部分で、日大は甘いところがあった。大きな学びがありました」と稲田チームディレクター。
昨季は初戦でつまずいたことが尾を引き、シーズンを通して勢いに乗れなかった。その轍を踏まぬよう、今季は初戦の法大戦(9月8日)に焦点を絞る。心身ともピークの状態で挑み、いいスタートを切りたい。
(文/直江光信)
※ラグビーマガジン10月号(8月23日発売)の「主要3リーグ各校戦力分析」を再編集し掲載。掲載情報は8月18日時点。
<夏季練習試合 結果>※Aチーム戦のみ
8月22日 vs九共大○35-7
8月24日 vs名院大○57-12