[明治大学(昨季大学選手権準優勝/関東大学対抗戦A 2位)]
春季交流大会Aグループを3勝1敗1分の3位で終えた明大。FWは主将のNO8木戸大士郎(4年)、FL利川桐生(3年)、BKは副将のCTB秋濱悠太(4年)、WTB坂本公平(4年)、FB金昂平(4年)らを中心に高い得点力を誇ったものの、セットプレーとディフェンスに課題を残した。
特にフロントローは昨季の主力だったPR為房慶次朗(現S東京ベイ)ら4年生がごっそり抜け、メンバーが様変わり。トップレベルでの経験不足は否めず、スクラムは明大らしからぬ姿を見せる場面も少なくなかった。
強化に励むべく、夏の菅平合宿直前の約2週間、八幡山で異例の3部練習を敢行。「アップデート」をテーマに、ユニット練習には例年の倍の時間を費やした。また6月に就任した高野彬夫・新HCの指導のもと、攻守全体のさらなる整備と向上も図られた。
こうした状況で迎えた、菅平での練習試合。8月14日の筑波大戦、同18日の天理大戦はそれぞれ31-35、28-29のスコアで連敗。ブレイクダウンの強度や個々のスキルでは随所に光るものもあったが、セットプレーを含めて全体に噛み合わない時間帯が続いた。
神鳥裕之監督は春季大会の期間中、やや安定感を欠く今季のチームを、次のように表現していた。「始動の段階から一試合ごとに成長する集団だと想定済み。上下動を繰り返したほうが、今年は強くなるのではないか」。
春には帝京大と引き分けるなど(6月9日/24-24)、潜在能力は十分。課題を一つひとつ丁寧にクリアしていきたい。
(文/三谷 悠)
※ラグビーマガジン10月号(8月23日発売)の「主要3リーグ各校戦力分析」を再編集し掲載。掲載情報は8月18日時点。
<夏季練習試合 結果>※Aチーム戦のみ
8月14日 vs筑波大●31-35
8月18日 vs天理大●28-29
8月22日 vs京産大○48-31
8月25日 vs帝京大●28-31