自分は優秀な営業マンなのではないか。
ラグビー日本代表のリーチ マイケルがそう胸を張ったのは8月28日。アンバサダーを務める腕時計メーカー『ガーミン』のイベントに出た時だ。
睡眠の質と時間をはじめとした各種の身体のデータを計測、管理できる性能のよさに助けられ、一時は年間で複数回の手術をしながらも完全復活。昨秋までに4度のワールドカップに出場し、35歳で迎えた今年6~7月のサマーキャンペーンでは主将を務めた。
特に、心拍数165以上の時に試合のパフォーマンスが下がるのを知り、その値を保ったままでのトレーニングを積極的におこなったのがよかった。
「ビジネスと同じ。プランニングをして、実行して、チェックしての繰り返し。もう1回、世界トップにあるために自分の身体を理解して、プランを立てて、やっていきました。(ガーミン製品は)トレーニング中だけじゃなく普段からつけて、普段からの生活リズムを理解してくれて、アドバイスしてくれます」
この午後、紹介した自身のデータに「オフの間の睡眠のスコア」があった。
会食と自主トレが交互に組まれた時期の「金曜日」の値は、100点満点中「38」。本人は「いままでで最悪です」とし、周りを笑わせた。勤勉で、かつ堅苦しさがない。
自らを高めるこのツールを、リーチは所属先の東芝ブレイブルーパス東京でも同僚に推奨。今回のイベントでは、「普段から使っているし、チームメイトにも勧めているので、すごいいいセールスマンだと思います」とおどけて自慢した。
事実、このほど部内の後輩のモニタリング結果を発表した。
あらかじめリーチが「体重管理が苦手」なのではと見る5名へ、製品を付与。それぞれが己を律する様子をリポートしてもらった。
当該選手が進歩して新シーズンへ臨んでもらうことで、国内リーグワン2連覇へ近づきたい思いもあった。
司会者がそれぞれのレビューを読み上げる中、リーチが感心したのはルーキーのヴェア・タモエフォラウの報告だ。
リーチと同じ札幌山の手高出身のタモエフォラウは、「体重キープは大変だったが、ガーミンを使って(消費)カロリーと心拍数を確認できた」のを喜んでいた。
プレゼン中は、背後の大画面でタモエフォラウのデータが映っていた。それを見たリーチは「彼は182の心拍数を維持できている。我慢の能力が高いとわかりました。(コーチが)個人的なメニューを組む材料になります」と展望した。
リーチ本人も「ラグビー界の最年長を目指して頑張り続けたい」。現在離脱中の代表チームへも、そう遠くないうちに再び携わるだろう。