フィジー、サモア、トンガ、カナダ、日本、アメリカの6か国が参加する「パシフィックネーションズカップ(PNC)」が、8月23日に開幕。日本代表は8月25日(日本時間26日朝)にバンクーバーでカナダとプールマッチ第1戦をおこない、55-28で勝利して白星スタートを切った。
開始直後からスピーディーなパス回しでテンポよく攻撃を継続し主導権を握った日本代表は、開始4分にこの日代表デビューのWTBマロ・ツイタマがクリーンブレイクで抜け出し先制トライをマーク。7分にも力強い波状攻撃でたたみかけ、LOワーナー・ディアンズがゴールラインを越える。この試合にかける意気込みを感じさせる立ち上がりで、早々に14-0とリードを奪った。
その後も接点のバトルで優位に立ち、優勢に試合を進める日本代表は、22分にもツイタマ-FB矢崎由高が鋭いランで相手防御を突破し、サポートしたFL下川甲嗣が右中間にフィニッシュ。26分にはSO李承信が左中間約40メートルのPGを決め、24-0とスコアを広げる。
さらに28分、中盤のラックからピックアンドゴーで抜け出したLOディアンズが40メートルを走り切ると、続くキックオフではニコラス・マクカランとディラン・ライリーのCTBコンビで大きく切り返してノーホイッスルトライを奪取。37分にハンドリングミスからこぼれ球を足にかけられカナダにトライを許したものの、38-7と大きく先行して前半を折り返した。
後半も先にスコアを挙げたのは日本代表。開始3分、FL下川が好サポートでゴールラインに迫り、すばやくボールを拾い上げたSO李が体をスピンさせながらインゴールに押さえて追加点を刻む。
しかし直後のキックオフレシーブでのターンオーバーからパワープレーでカナダに2本目のトライを奪われると、流れが一変。日本代表は不用意なエラーやペナルティを連発して勢いを失い、10分にはラインアウトからカナダCTBタレン・マクマリンにギャップを突破されて45-21とされる。以後もイージーミスでプレーがぶつ切れになる場面が重なり、停滞する時間帯が続いた。
膠着状況からようやく試合が動いたのは68分。キックカウンターを起点にWTBジョネ・ナイカブラが入れ替わるように抜け出し、快足を飛ばして独走トライを挙げる。ただ流れを取り戻すまでには至らず、以降も攻め込みながら仕留めきれないシーンが続出。40分にはカナダの前に出る圧力に押し込まれ、4本目のトライを許してしまう。
それでも最後は途中出場のWTB長田智希が相手のパスを読み切ってインターセプトを決め、チーム8本目のトライを奪取。最終スコアを55-28としてフルタイムを迎えた。前半35分まではほぼ満点に近い展開だったところから一転して苦戦を招いたのは反省点だが、新生エディー・ジャパンとして初の海外遠征でようやく今季初のテストマッチでの勝利を挙げ、PNC白星発進となった。