ラグビーリパブリック

その一言から、始まった。水戸日立ラグビースクール、創立20周年。

2024.08.11

二つの地区が思いを一つに20年。記念試合には多くの現役、OBが集まった(撮影:MHRS)

 7月14日、水戸日立ラグビースクール20周年記念式典がホテルテラスザスクエア日立にて開催された。 

 現在、リーグワンに所属するOB郡司健吾氏(ホンダヒート)、尾又寛汰氏(GR東葛)、高橋泰地氏(釜石SW)をはじめ、地元・日立サンネクサス茨城に所属する複数名のOBらと、「おやじコーチ」達、総勢約80名が集結した。

「20年はあっという間でした」

 現、水戸日立ラグビースクール校長の尾又寛人は語る。

 2007年水戸日立ラグビースクールは、水戸ラグビースクール中学部と、日立ラグビースクールの合同チームとして産声を上げた。2017年には地元茨城県水戸市で開催される中学生の全国大会「太陽生命カップ」への出場も果たしている。

「濱口さんが声を上げたのが全ての始まりだったよね」

 濱口明善さんは日立ラグビースクールの「おやじコーチ」の中心的存在だった。

 今から20年前、日立ラグビースクールの小学生達は卒業と同時にラグビーから離れていくものがほとんどだった。当時の中学校は部活動の参加率が高く、週末に外部活動でラグビーを継続するという考えを持つ子供は少数派で、12人制の中学チームを日立ラグビースクール単独で成立させるのは難しかった。

式典にはスタッフ、関係者、OBら80人が集結(撮影:MHRS)
躍動するU15現役選手たち(撮影:MHRS)
歴史の先頭を走る、武田キャプテンら(中央/撮影:MHRS)

 日立の「おやじコーチ」達は、ラグビーが好きで活動を継続する子供たちに、ゲームの場を提供することができないことが心苦しかった。意を決して、濱口さんの長男が中学へ進学するタイミングで、県央地区で活動する水戸ラグビースクール中等部に合同チームとしての活動を申し入れたところ、快く受け入れられ、道が開けた。

 その時、水戸側でスクール活動の中心として動いていたのが、初代水戸日立ラグビースクールの校長となる圷昇一さんである(濱口さんの長男は、中学でもラグビーを続け、その後、強豪・國學院栃木へ進学)。


 20年が経った今、OBは各カテゴリで活躍する。

 冒頭で紹介した社会人以外にも、立命館大学共同キャプテンの山下真之介や、前年U17高校代表の山口海晴(茗溪学園高)などがいる。先日、秩父宮で開催された「関東ラグビー協会100周年記念試合」で関東高校選抜に選出された、堀江凛音(水戸農高)、堀川英汰(日立一高)など、多数のOBがラグビーを続けている。

 4期生の小野結也さんは、地元に戻りコーチとして活動。昨夏、B級レフリーの資格を取得し、公式戦でのレフリーも務める。
「中学時代にお世話になった方々のおかげで今の自分がある。次世代の子供たちに、この活動を引き継いでいくのが僕の使命だと感じています」(小野さん)

 式典に先立っては、グラウンドでOB達が集まり汗を流した。式典には参加できなかったものの、ホンダヒートの郡司選手は、プレゼントのチームグッズを持ってグランドに顔を出してくれた。

 今年、水戸日立ラグビースクールは7年ぶりに太陽生命カップ県代表決定戦を勝ち抜いた。東日本大会に出場するも、準優勝チーム浦安DRJrに敗れ、2度目の全国出場とはならなかった。

「全国には一歩届きませんでしたが、後輩たちはこの悔しさを忘れずに、来年また挑んでくれると思います」。最後はキャプテン武田一咲の挨拶で締めくくられた。

(PH05)地元ケーブルテレビの取材を受ける尾又寛人校長(撮影:MHRS)

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