財政難のため今季限りで活動を休止することが決まっているオーストラリアのメルボルン・レベルズに所属していたPRタニエラ・トゥポウが、シドニーを本拠とするワラターズへと移籍することが明らかになった。8月2日、チームが公式webサイトで発表した。
現在28歳のトゥポウはトンガ出身。178センチ、135キロの際立つ肉体を誇り、スクラムでの猛烈な推進力と破壊力満点のボールキャリーが自慢のタイトヘッドPRだ。NZ・オークランドのセイクリッド・ハートカレッジ時代から注目され、PRとは思えない脚力で相手タックラーをなぎ倒しトライをするプレー動画で一躍世界中のラグビーファンにその名を知られる存在となった。
2016年にレッズでスーパーラグビーデビューを飾り、翌2017年のスコットランド戦でオーストラリア代表として初キャップを獲得。すぐにワラビーズのレギュラーに定着し、ワールドクラスのPRへと成長を遂げた。2019年のW杯日本大会に出場したほか、2021年秋に大分で行われた日本代表とのテストマッチにも3番で先発しトライを挙げている。
近年はケガに苦しみ、昨秋のW杯はわずか1試合の出場にとどまったが、レベルズに移籍した今季のスーパーラグビーではコンスタントにパフォーマンスを発揮。今夏のウエールズとのテストシリーズでも2試合連続スタメン出場を果たし、復活を印象づけた。
ひとりでチームを勝利に導くほどの圧倒的な力を有する稀有なタレントであり、レベルズの破綻が明らかになった後はその移籍先が注目されていた。ワラターズは2014シーズンにスーパーラグビー優勝を果たした名門ながら今季は最下位に沈んでいるだけに、インパクト抜群のプレーでチームを浮上させることが期待される。